作者の近況(2005年8月4日)
ジム対向スパーリング大会

その日は大変忙しい日曜日でした。
ジム対抗のスパーリング大会とお友達のKさんの
カンツォーネの発表会が同時にあったからです。
私はこのスパーリング大会で、
マイ人生史上大変重要な発見をしました。
参加したアマチュアの選手たちはみんな"本気"でした。
プロだったら上手くてあたりまえ、
頑張って当たり前なのですが、
この素人の無意味な頑張りというものに
私は非常にすがすがしい感動を覚えました。
しかも選手たちは試合の前に
「もし万が一のことがあっても
責任を一切問いません。」という
一筆を書かされるとのことです。
ただの趣味に命をかける、心底バカですねえ!
そして2ラウンドですから、
力の配分も考え無しのそれこそ突貫です。
みんな、みんなすごーい!

Mさんはまるで敵船にめがけて発射された
人間魚雷そのものでしたし、
「殺すぞ」のNさんも負けはしましたが、
見事な戦いっぷりでした。
この時もある発見をしたものです。
「頑張れば夢が叶う」は大ウソである・・という事を。
「殺すぞ」の闘争心を持って挑んでも、
相手も同じ「殺すぞ」ならば、
実力差で勝敗がつくのです。
人生はクールなのだ。ヒュー、ヒュー(木枯らしの音)
だから、実力もない、闘争心もない私
に勝てる相手などないのです。

特に印象的だったのは不運にも、
彼にとって師匠格の
アメリカ帰りのボクサーYさんと対戦することになった
Aさんです。もともと遊び人風なAさんは途中で
「もう、この辺でやっめよっかなー」
と何度も思ったそうです。
その度に彼の耳に入ったのは
同じジムの仲間たちの声援でした。
「立て!立つんだ!」
その声援がひん死の彼を奮い立たせました。
私は、気力のみで動いている人間の姿を
生まれて初めて見ました。
2ラウンドの最後では彼は
Yさんの姿を見ることすらできないヘロヘロ状態で、
ただただパンチを繰り出し続けていました。

クールなAさん


そんなAさんの姿はまるで、最初のほうの巻の
力石トオルと戦う矢吹ジョーか、(古!)
「初めの一歩」の中のボクサーたちの姿を
彷彿させるものでした。
場内は怒濤の頑張れコールです。
そして実力差をものともせずに
見事ドローの判定結果を得ました。
感動!涙が出ました。
その結果、他のジムを制して
Aさん所属のHジムは優勝したのです。

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サッカーでよく言われる、
サポーターの応援が選手をささえるだって?
んーなバカなあ、それはないだろう、
選手の実力だろうと思っていた私にガーンです。
本当にそんなことがあるんだねえ、っていうか
人は人に支えられて生きているっていうかあ・・。
なんか、言ってて照れてしまうけど。

みんなみんな汗びっしょり!

「安全地帯」の玉置浩二そっくりのIさん

そんな色々な事ことを発見した日でした。
「面白い」「楽しい」「気持ちいい」を
行動指針としている私。
仕事よりも遊びに重きをおく私。
そんな私を感動させた見事なまでの
「超遊び」に拍手です。


そう言えばカンツォーネの発表会の横で
バレーの発表会もやっていました。
みんなそれぞれ花束を持って
観客たちが出入りしています。
そこでも感動的な出来事や小さな奇跡が
起こっていたんだろうなあ・・
「♪いいな、いいな、にーんげんっていいなー♪」
と胸がキュンとした休日でした。

謎のマジシャンB氏

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