その日は大変忙しい日曜日でした。
ジム対抗のスパーリング大会とお友達のKさんの
カンツォーネの発表会が同時にあったからです。
私はこのスパーリング大会で、
マイ人生史上大変重要な発見をしました。
参加したアマチュアの選手たちはみんな"本気"でした。
プロだったら上手くてあたりまえ、
頑張って当たり前なのですが、
この素人の無意味な頑張りというものに
私は非常にすがすがしい感動を覚えました。
しかも選手たちは試合の前に
「もし万が一のことがあっても
責任を一切問いません。」という
一筆を書かされるとのことです。
ただの趣味に命をかける、心底バカですねえ!
そして2ラウンドですから、
力の配分も考え無しのそれこそ突貫です。
みんな、みんなすごーい! |
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Mさんはまるで敵船にめがけて発射された
人間魚雷そのものでしたし、
「殺すぞ」のNさんも負けはしましたが、
見事な戦いっぷりでした。
この時もある発見をしたものです。
「頑張れば夢が叶う」は大ウソである・・という事を。
「殺すぞ」の闘争心を持って挑んでも、
相手も同じ「殺すぞ」ならば、
実力差で勝敗がつくのです。
人生はクールなのだ。ヒュー、ヒュー(木枯らしの音)
だから、実力もない、闘争心もない私
に勝てる相手などないのです。
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特に印象的だったのは不運にも、
彼にとって師匠格の
アメリカ帰りのボクサーYさんと対戦することになった
Aさんです。もともと遊び人風なAさんは途中で
「もう、この辺でやっめよっかなー」
と何度も思ったそうです。
その度に彼の耳に入ったのは
同じジムの仲間たちの声援でした。
「立て!立つんだ!」
その声援がひん死の彼を奮い立たせました。
私は、気力のみで動いている人間の姿を
生まれて初めて見ました。
2ラウンドの最後では彼は
Yさんの姿を見ることすらできないヘロヘロ状態で、
ただただパンチを繰り出し続けていました。 |
クールなAさん
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そんなAさんの姿はまるで、最初のほうの巻の
力石トオルと戦う矢吹ジョーか、(古!)
「初めの一歩」の中のボクサーたちの姿を
彷彿させるものでした。
場内は怒濤の頑張れコールです。
そして実力差をものともせずに
見事ドローの判定結果を得ました。
感動!涙が出ました。
その結果、他のジムを制して
Aさん所属のHジムは優勝したのです。
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サッカーでよく言われる、
サポーターの応援が選手をささえるだって?
んーなバカなあ、それはないだろう、
選手の実力だろうと思っていた私にガーンです。
本当にそんなことがあるんだねえ、っていうか
人は人に支えられて生きているっていうかあ・・。
なんか、言ってて照れてしまうけど。
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みんなみんな汗びっしょり!
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