マーマレードが考えること Part3

マーマレードが心から願った次の瞬間にそれは起こりました。

鉛色の雲の間から光が差し、金色に光るなにかがゆっくりと

マーマレードの方に落ちて来たのです。

こんな風にね。

そしてそれはからっぽだったマーマレードのお菓子の箱にすっぽりと

おさまったのです。

それは本当にちっぽけなカップケーキでした。

箱の中のカップケーキは

たったひとつだったけれど、

マーマレードをとても幸せにしました。

あたたかな金色の輝きとおいしそうなあまいにおい。

このカップケーキをどうしよう。

マーマレードは考えました。

マーマレードはもはやこれを自分だけのものにはできませんでした。

そして空箱を持っている人たちみんなに分け与えたのです。

ほんのちっぽけなカップケーキはあっという間になくなってしまいました。

でも、そのおいしかったことといったら!

それはマーマレードにとって大きな、大きなデコレーションケーキを食べたほどでしたよ。

人生はお菓子箱のようなもの、これはマーマレードの持論です。

たっぷりお菓子がはいっているのもあれば、

全然はいっていないのもある。

だけど、それは同じこと、

だって、お菓子箱が空になってから

はじめてお菓子の意味が分かるのですから。

そこから本当の人生が始まるのです。

続きをお楽しみに!

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