リレーエッセイ 「チャレンジドの夢」

 北岡 理都子さん

バー

ラスベガスわくわくドキドキ体験記<Part2>
 
北岡さんカット 『言葉が通じた』
 私たちが泊まったホテルは「モンテカルロ」というヨーロピアン風で落ち着いた感じ。私とHさんの部屋は29階、窓から見る景色はすばらしかった。同じツアーの人の部屋に遊びに行った時のことだ。その人の部屋は18階。Hさんは自分たちの部屋へ上着を取りに行ってしまったので、私は一人でべつのエレベーターで18階へ向かった。エレベーターに乗ってしまったら当然のことながら外人ばかり。英語で何かを聞かれた。たぶん「何階ですか?」と言っているのだと思い、
「エイティーン」と答えた。
すると、通じたらしく18のボタンを押してくれて、再度、
「エイティーン?」と聞かれたので
「Yes.」と答えた。
「OK! 」
「Thank you.」
「You are welcome.」と微笑んでくれた。
降りる時も
「Thank you.」と言ったら
「Have a nice day.」とか
「Bye bye.」と手を振ってくれている人もいた。
たいしたことではないかも知れないが、言語障害がある私にとってこのことは今回の旅で最も思い出に残っている出来事だ。

『ギャンブラー理都子』
 あんまりカジノには興味もなく、する気もなかったが、行って「一度ぐらい、記念にやってみよう」という気持ちになってしまった。最終日の夜遅く、勝負に出た。Hさんをおともにルーレットに挑戦。私はまったく気づかなかったが、Hさんの話では身体のごっつい怖そうなお兄ちゃんの横に陣取ったようだった。20ドルを元手に5分ぐらいの間に65ドルになった。Hさんが耳元で「もう、やめたら?」と言ってきた。私もあまりにも最初から調子よく勝ち出したので、ちょっと怖い気もしたのでやめることにした。たった5分間で45ドル、儲かった。そのまま続けていたらもっと勝っていたかも知れないが、負けて損していた可能性もあった・・・へたに勝っているとどこで見切りをつけるかの判断が難しい。このようなお金はすぐにパッと使った方がいいと聞いていたので、Hさんとお揃いのTシャツを買って、ワインで乾杯!世界中から一攫千金を夢見て何度も足を運ぶ人たちの気持ちが、なんとなくわかった。

北岡さんカット 『きらびやかな街だが・・』
 ラスベガスは24時間、眠らない街だ。陽が沈みかけるとあらゆる所の明かりがつき、夜景は宝石箱をひっくり返したという表現そのものだ。その明かりは、陽が昇る頃までついている。ラスベガスには「省エネ」という言葉は存在しないだろうか。そんなきらびやかな街だが、車で30分も走れば何も無いサボテンの原野が広がっている。かっこいいカウボーイが出てきそうな西部劇の世界だ。あらためてアメリカの大きさを知った思いだった。

『今回のパートナー』
 Hさんは東京の町田で福祉の仕事をしている。自分も旅が好きらしいし、いろんな人のトラベルボランティアとして旅行に参加していることも多いようだ。東京と三重だから出発当日、名古屋駅で初顔合わせとなった。すごく明るくて、すごく元気で、変に遠慮した所が無くて、物事をはっきり言ってくれたので、いい関係で旅することができた。アルコールもなかなかいける口・・・これも私と相性ピッタリ。いつも私が振り回す方だが、元気なHさんに今回は引っ張り回された。おかげでベガスの街を堪能できた。

 
バー


戻る