リレーエッセイ 「チャレンジドの夢」

 北岡 理都子さん

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ラスベガスわくわくドキドキ体験記<Part1>
 
北岡さんカット 私は4年ほど前、生まれて初めてカナダへ行った。それ以来すっかり海外旅行にハマってしまった。この2月のラスベガスで7回目になる。昨年の夏には「インド洋に浮かぶ真珠のネックレス」と呼ばれているモルディブにも行った。私は今を大事に、いろんな所へ行っていろんな体験をしたいと思っている。この文はヘルパーさんと私のラスベガスわくわくドキドキ体験記である。

『ステッカーが取り持つ縁?』
 昨年の夏モルディブへ行った際、空港へ着いて荷物と一緒に車椅子が出てきたら「LASVEGAS」のステッカーが貼ってあったので驚いた。添乗員の松本さんいわく「いっ  ぱい貼ってあるから集めているんだろうと思ってアメリカ人が貼ってくれたんだろう・・今度、ラスベガスへ行ったとき買わなくていいからよかったじゃん」そう言われても行ってない所のステッカーを貼っているのもイヤだったし、行くあてもなかったので剥がそうと思っていたが・・剥がさなくてよかった。

北岡さんカット 『初のファーストクラス! 』
 名古屋空港からアメリカのポートランドで乗り継ぎ、ラスベガスへ。所要時間はトータル約13時間。行きはポートランドからベガスまで、なんとなんとファーストクラスだった。席の大きさはもちろんのこと、食事も違うのだ。ちょうど昼食が出た。エコノミーなどは食事の入れ物は全部プラスチックでワンセットのように出てくるが、ファーストクラスにもなるとレストランのようにちゃんと布のナプキンを敷き、陶器の食器で出てきたのにはたまげた。ワインもちゃんとワイングラスで。そして私が一番違うなぁと感じたのは離着陸の振動だ。窓の外を見ていて「もう飛んでるの? 」「もう降りたの? 」というほど静かだった。ちょっぴりお金持ちの気分を味わった。

   『カジノ・カジノ・カジノ』
 ラスベガスの空港のロビーにはいたる所にスロットマシーンがあり、片手に荷物を持ながら一攫千金をねらって熱中している人、お金を使い果たしてやけになって機械を足で蹴とばしている人、一人一人観察しているとおもしろかった。ホテルにはもちろんカジノ場があった。どのホテルもそうらしいが、カジノ場を通らないことには部屋やレストランに行けなくなっていた。おのずとお金を使わせる仕組みにしてあるのだろう。それにカジノ場の広いことときたら・・・一歩、足を踏み入れたら最後、なかなか出てこれない。地理的感覚はいい方の私だが、このカジノ場だけは最後までどこをどう歩いているのか、さっぱりわからなかった。ラスベガスはカジノで落ちるお金によって成り立っているらしい。だから犬も歩けば棒に当たるではないが、街を歩けばカジノに当たるという感じだった。

北岡さんカット 『ベガスの街を歩いて』
 ラスベガスは巨大ホテルが建ち並んでいる。そのひとつひとつのホテルに特徴がある。入口に自由の女神を縮小したのが建てられているホテル、エッフェル塔や凱旋門があるホテル、ピラミッドのホテルなど。ホテル巡りをしているだけでも世界中を旅行しているようで楽しい。
3カ所にトラムというモノレールのような乗り物があった。それはホテルからほかのホテルへ行けるようになっている・・・全部のホテルがつながっているわけではないが。そのトラムは段差がなく、車椅子で自由自在に一人で乗り降りできる。1 カ所だけは段差があった・・・しかし、係員が簡易スロープで乗せてくれた。町中で階段がある所には必ずスロープやエレベーターが設置されてあった。エレベーターでも前進で入って前進で降りられる。・・これは実に楽である。先進国へ行けば、このようなエレベーターが多い。「日本も先進国なんだが・・」と考えさせられた。
 行き交う人達も視線が合えば、大半の人は微笑みを返してくれたり、乗り物やエレベーターに乗り降りする時は必ず「プリーズ」と私たちを優先してくれる・・それが実に自然である。日本だと「われ、先に」という感じで乗り降りして、私たちはいつも最後だ。海外に行くと、いつも日本人のゆとりの無さをつくづく感じる。

 
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