リレーエッセイ 「チャレンジドの夢」

 貝本 充広さんの場合

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「CD-ROMについて」
 
貝本さんカット PropStationバーチャル工房初の完全オリジナルCD−ROMの制作が始まったのは昨年の秋頃だった。“初の”というのはもちろんCD−ROMを作るのもそうだが、今までは音楽が出来る人材がいなかったため、どうしても音に関しては著作権フリーの物に頼らざるを得なかったのである。が、この度僕の中学時代の友人の義理の弟の村上修平君がDTMをやっていると聞き、無理を言い参加してもらった。過去ムービーなどを作成したがフリーの音素材というのは、どこかのっぺりとしていて浅いというか無機質というか、とにかく味気のない感じがしていて、それで音付けしても自分たちの手作り感という物に今ひとつ欠けていた。今回は音もオリジナルと言うことで俄然やる気がでていたのは僕だけではないはずだ。 このCD-ROMに費やされた時間は実に半年以上、今までのどんなモノより遙かに長い。先ず9月の末頃に何を作るかというタタキの意見を出し、コンセプト、テーマ、メッセージなどを全員でまとめ上げて1つにしぼっていただいた。そしてパート分けをして実際に制作に取りかかるまでに1ヶ月以上は要した。いや本当はもっとかも知れない。なぜならばこの段階でしっかり作り込んでおくことこそ基礎工事にあたるからであり、最終的なメッセージだからである。つまりこの部分こそ自分たちにとってスタートであり、ゴールなのだ。だからこそどうせ作るなら質の良い、満足のいくモノという気持ちで半端なことは是非とも避けたかった。そして最終段階である仕上げの部分というのはハンパじゃない労力が必要で、今回その部分はプロップのスタッフの方々のご尽力による物であって深く感 謝している。
 さて本来2000年2月14日のバレンタイン商戦にのっかってと言う手筈だったのだが、大幅にずれにずれ挙げ句年度内予算消化のギリギリである3月下旬まで遅れこんでしまった。それは取りも直さず「おもいおもいのe-letter」につぎ込んだ我々の“おもい”の結果なのである。だが関わった誰もが100%の力をそそぎ込んで作り上げたものが、見ていただく人に100点満点の感想を与えられるわけではない、もしかするとそれには制作者サイドに200%のがんばりが必要なのかも知れない。が、様々な制限があったにしろこれが今の僕達の100%だと言えるものが出来上がったはずだ。しかし次には今以上、これ以上のものを作れる自信が芽生えているのも事実。それはチャレンジドがチャレンジド足り得る宿命でもあり、喜びでもあるのだ。もしも僕がこのCD-ROMについてどこかで聞かれることがあったなら間違いなくこう答えるだろう。『まだまだ今の社会では守られる立場であり、非生産者的なイメージの強いチャレンジドがチャレンジした結果がこのCD-ROMだ。』『もし自分自身でそう思いこんでしまっているチャレンジドや周囲の人間がいたら、一度このCD-ROMを手に取ってみて何か1つでも感じて欲しい。』と。最後にこの度このプロップステーション・バーチャル工房制作による初心者向けホームページ作成支援CD-ROM「おもいおもいのe-letter」をお買いあげ下さった皆様がどういった判断をされるかは分かりませんが、今後とも宜しくお願いします。
 
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