リレーエッセイ 「チャレンジドの夢」

 北岡 りつこさんの場合

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「りこのスイス・パリ旅行報告 〜行って良かったぁ!〜
 
ミッシェルとスリーショット! 私、お邪魔虫みたい 今回の旅は出会いの旅でもあったような気がする。氷河特急の車掌さん、ミッシェル、それぞれ各地を案内してくれたガイドさんたち、一緒に参加して和気藹々と家族のように楽しんだみなさんに出会えてよかったと思う。そして、何よりわたしを9日間、介助してくれたYさんとの出会いは思い出とともに宝物だと思っている。
 旅行というのは「心の贅沢」だとわたしは思う。「重度障害者のくせに・・」と思う人はたくさんいるだろう。重度だからこそ、贅沢を味わってほしいと思う。 帰ってきて日本の暑さにグロッキー状態だった。一緒に参加したみなさんから写真が送られてきたり、こちらからも送ったりした、ミッシェルにも送った。Yさんとわたしは、ちゃっかりと住所などを聞き出していたのだ。フランス語しかわからない彼に、わたしはガイドブックを見ながらたどたどしいフランス語で挨拶程度の手紙と、一緒に撮った写真を添えて。
それから10日ほど経った8月末のことだった。いつものようにパソコンのスイッチを付けた。なにげなくメールを見ていたら、見慣れないメールが・・・。なんと、それはミッシェルからだった。この感動を文章にするのは非常に難しい。フランスからメールが届いたという驚きと、手紙を読んで返事をくれた嬉しさとで、心臓がドキドキした。メールは英語で書かれてあった。わたしがたどたどしいフランス語で書いたから、彼も一生懸命、英語で書いてくれたんだと、直感した。添乗員さんにも伝えたら「彼も相当、嬉しかったんだよ。だから、英語を勉強して書いてくれたんだと思うよ」これからフランス語の辞書を買って勉強して返事を出さないといけない。ろくに英語もわからないのに大変なことだ。こんなことになるとは想像もつかなかった。
 わたしは全面介助が必要だ。しかし、どこへでも行ってみたい、なんでもやってみたいという気持ちだけは健常者と同じだ。みなさんも、チャレンジしてみてください・・・いろんな出会いが待ってるよ。
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