リレーエッセイ 「チャレンジドの夢」

 吉田 幾俊さんの場合

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吉田さんカット「幾版・CJF国際会議オープニング・ムービー始末記」

 はじめて、オープニング・ムービー制作の話がナミねぇ様よりあったのは、確か、一月のはじ頃。Challenged Japan Forum Universal Meet☆ing」(長すぎる!なぜか、間に星が欲しいという変な注文付きでね)「Go for it!」(号砲一途じゃなく?やるっきゃない!という意味だった)2つのロゴデザインの依頼のついでに、ちょっと幾くん、派手なムービーも作る予定やから考えといてやぁ。という軽い乗りでしたが、ずっと、気が重く(動くものはTVアニメなら秒、数十コマの絵が要るわけで根気と体力勝負の世界です から)忘れたふりして、すっかり確信犯で、さぼっていたら6月になりバーチャル工 房の集団としての取り組みとなっておりました。
 当時、破竹のWEBアニメの革新アプリケーション”FLASH2”の短期集中秘技直伝なるもの(”FLASH3”が出ている現在では、その感動の裏技表現も空しい・・・)が工房メンバー対象にあったばかりだったので、ムービー制作は、このアプリの習熟度を示す絶好のチャンスだし話題性もあるということで、”FLASH2”で、みんなで作ろう!国際会議オープニング・ムービーとなりましたが、その時点では、これが悪魔の選択であったとは想いもよらなかったのです。
 まず、実作となると講習より高度でハードな作業が必要と判り、この制作にあたり有能な人材確保が急務となり、地獄に仏?中級セミナー(グラフィック・コース)で異才を放つ、貝本氏にSOSお助け信号を送って、制作班として頑張ってもらうことになりました。私が言うのも変ですが、本当に彼なくしては、このユニークで楽しいムービーは出来ていなかったでしょう。とは言え、みんながアイデア、言いっぱなしでコンセプトの詰めが甘いまま進めて、徒労となった貝本印のフラッシュムービーは山となりゴミ箱送りとなりました、合掌。
 けれど、頼もしい貝本職人の踏ん張りで素敵なマスコットキャラ(モバイルパソコンを膝の上で開き、衛星通信しながら360度廻る未来のUFOマウスに載った、仕事の出来る超合金チャレンジドといった塩梅でした)も、めでたく出来、タイトルロゴの出し入れも上手くまとまり、もう、ひと息かなぁというところでQuickTimeムービーに仕上げるため、フラッシュムービーを細かく書き出し、別の編集ソフトで合成し、音を入れるという作業手順の提示が先生よりあったのでした。まさに晴天のへきれきで、まとめ役の私も、ついには・・・「 K先生、お手上げです。訳が分かりません。ムービー制作の的確な手順や方法、どうも、見えてこない、理解出来ないで困っています。
-中略-
 兎に角、どこに問題あるんでしょうか?時間もないし、もうこれ以上、実制作に繋がらない試行錯誤は正直、つらいのです。幾(7月 23日 木曜日 10:12:20AM メール配信)」という有り様。発表日が8/8でしたから、土壇場まで、切った貼ったの?暗中模索、ワラをも掴む状態であったことが理解できるでしょうか。あっ、講師の先生がワラという意味ではなく慣れないことの連続で我らは、そんな弱音も出そうになるくらいだったということで。
 後日よく聞けば、UFOマウスの背景に派手な「しし座流星群」みたいな映像をつけるという当初の計画を綺麗に、そして機種依存せず30秒という時間枠で動かすには、その方法しかありませんとのことで納得。平行して、会議を分ける7つのセッションに対するジングル的15秒ムービーの作成もあったので追い込みに咳き込みました。それでも分業をいいことに、つい調子に乗り、セッション・ムービーのUFOマウスを好き勝手に動き廻らして、後の出演者のクレジットや音入れ担当者に余分な手間と苦労をおかけしました、陳謝。さて、連日徹夜組の努力のお陰で、ぎりぎり間にあって納品となり、会場でオープニング・ムービーが格好良く巨大デジタル・プロジェクターで投影され国際会議の幕が開く算段でしたが、最後にも悪魔が微笑み、機材不調のため散々苦労の末に、やっとこさムービーがカクカクと始まりました。「ああっ、カクカク!!」そこでまた制作者一同、ガックリ。そうなんです、QuickTimeムービーの酷いコマ落ちというオチまでついたのでした。
 実は、前日、会場の機材の都合でQuickTimeムービー用にノートパソコンでも良いでしょうかという打診があったのですが、私、翌日に備えて早く寝てしまいE-メールを読み落としていました。最後まで詰めが甘く、すいませんでした。ここに告白して制作担当者の皆さんと関係者に、お詫び申し上げ、幾版・不始末記といたします。(さよなら、さよなら、さよなら)

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