リレーエッセイ 「チャレンジドの夢」

 貝本 充広さんの場合

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貝本さんカット「夢を視る目」

 「目に力を持たない」人間を僕は好きになれません。目は口ほどに物を言うなんて言いますが「目」は時には言葉や文字では綴りきれない奥深い存在を宿していることもあります。
 僕はケガをするまで高校・大学と格闘技(相当ハードなモノで真剣に殴り合います)をしていたのですが、しんどいからと言って「目」が死んでしまう後輩には特にキツ〜〜ック練習をつけてあげたものです。
 現在も暇をみてはクラブの練習に顔をだすようにしています。と、言うのもそういうヤツらの目は僕に様々なパワーを与えてくれるからです。彼らは少なくともその瞬間・その空間では自分たちの信じること・夢のために必死で汗をかきます。今は僕は現役当時のような目をすることはないですがガンバっている奴らの目を見るのは自分自身の原動力の1つになっている気がします。
 話が少しズレますが僕は大学で所属していたクラブでの最上級生でケガをして現在に至ってます。最後の試合を前に今まで生きてきた人生で最大で唯一とも言える夢・全日本の大会で優勝するという夢を断念せざるをえなくなったワケなのですが、今自分に必要なのはこれからの人生で叶えるべき夢を「射抜く目」です。「今まで」ではなく「これから」の夢です。
 夢は強く願えば必ずかなう・・などという子供に説いて聞かせるような言い回しがありますがあながちウソでもない気がします。重要なのは志で、踏み出す一歩を躊躇するようでは足下に落ちている10円にすら拾い損ねてしまうのでは、と思います。始めから諦めて怠惰に時を過ごすよりも、ほんの少しでも前に進んでいく方が精神衛生上もはるかにいいハズです。
 ”夢=生き甲斐”と言い換えられるかも知れません。しかし夢は大きければ大きく・途方もなくてこそ夢と呼べるように思いますが、大きくて途方もないほど遠くなるのが当たり前で、それを霞むことなくハッキリ見続ける目と、遠くまで射抜く目と、且つ足下を見据える目を持つことこそが大切であると思います。
 夢を見ることに資格や権利は必要ないでしょう。が、夢を持ちそれに向かって邁進するには然るべき心構えと環境やパワーがいると思います。
 「志」がなければ夢の方向が定まりにくそうで、「野望」がなければ原動力不足になりそうです。そして「根気」がなければ長い道のりを歩めそうもないです。だからこの3つを併せ持ったモノこそ「夢」と呼べるのではないかと思います。そして夢を叶えるための最後のポイントである眉間の奥からそれを突き通す熱を発する「夢を視る目」を持ち続けていきたいと思います。幸いにも僕の周りにはその目がたくさんあるようで何かしらの相乗効果や競争心などの効果が期待できそうです。

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