リレーエッセイ 「チャレンジドの夢」

 ナミねぇの、オープニングメッセージ (つづき)
 竹中 ナミ(プロップ・ステーション代表)大阪府

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 プロップの活動を開始して、はや6年。「チャレンジドが社会を支える人になれるような世の中の仕組みを一緒に創ろうよっ!」というナミねぇの呼びかけに、多くのチャレンジドが集まり、多くの支援者や支援企業が応えて下さって、五人、十人、二十人・・・と「仕事人」になってゆくチャレンジドが生まれつつあります。
 コンピュータネットワークは、外出困難な重度のチャレンジドをも「在宅ワーカー」にできる、すごい道具です。「仕事をする」ということは「お金を稼ぐ」というだけやなく「社会に貢献すること」でもあり、同時に「自分が必要とされている」という喜びや充足感を感じることです。(ナミねぇ自身も達者なんは口だけで、目は遠ぅなったし、走るのんも苦手になって、どんどんチャレンジドの仲間入りをしつつあるけど、自分が麻紀のような状態になるまでは、プロップの活動を通じて、ちょっとでも社会貢献できる人でありたいなぁと思っています)
 また、ポジティブな視点で見ると「チャレンジドは高齢社会の生きたシンクタンク」です。チャレンジド自身がそういうポジティブな視点を持ち、高齢社会へ向けた様々なアイディアや提言を生み出すことができるなら、まさに「チャレンジドこそ、大いなるビジネスのタネを内包する人」ということも出来ます。(どや、関西人の発想やろ!))
プロップ・セミナー風景  今回のオンライン・エッセーは、プロップでコンピュータグラフィックスを学び、腕を磨き、グループ展を開いた後「バーチャル工房」という「在宅でグループワークするチーム」を立ち上げた数人のメンバーが中心になり、リレー形式でそれぞれの想いを綴っていこうという企画です。
殆どのメンバーが家族などの介護やサポートを必要としてるけど、週1回プロップのセミナーに通いながら、あとはパソコン通信やインターネットを使って、在宅でコンピュータ・グラフィックの勉強を深めました。勉強だけでなく「バーチャル工房」の打ち合わせや連絡にもコンピュータネットワークをフルに活用しています。
例えば、今年の新年会!「車いすでも入れるお店」というのがなかなか無いんやけど、予算や会場など通信を 使って情報交換し、参加者の集約をし、グラフィックソフトを使って地図やメニューを送り・・・と、非常に便利です。クリスマスカードや年賀状も、自作のイラストつきのものが飛び交いました。仕事だけでなく、コミュニケーションを深めるにもコンピュータネットワークは威力を発揮するということです。
 仕事も遊びも勉強も、どれも人間にとって重要なものなのに、障害があるということで諦めたり、敬遠したりしてたチャレンジドが、コンピュータで生き生きとした生活を取り戻すのを目の当たりにし、ナミねぇは「プロップ始めて良かった!」と実感しています。
 特に今回のリレーエッセーは「バーチャル工房」の面々が、仕事としてお受けしただけやなく、1年間の連載のあとNTT出版から本として世に出して戴ける、ということでメンバー一同張り切っています。まだまだ未熟な文やイラストもあるかと思いますが、どうか皆さん1年間「バーチャル工房」の成長を見守りながら、お付き合い下さい。どうぞよろしくお願いします。

プロップ・ステーションの活動を、ホームページでぜひご覧下さい。
http://www.prop.or.jp
作品   作品
これは貝本 充広さん
(プロップ・ステーション所属)の作品
  これは吉田 幾俊さん
(プロップ・ステーション所属)の作品

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