村木厚子さんの裁判を見守り支援する部屋

平成22年6月29日 第22回公判がおこなわれました。

最終弁論が行われました。

第22回公判 傍聴記 平成22年6月29日
by ナミねぇ

「 厚子さん第22回公判「最終弁論」傍聴記」
by ナミねぇ

2010年6月29日(火)厚子さん、第22回公判「最終弁論」
梅雨の晴れ間の、実に蒸し暑い大阪地裁の昼下がり。
最終弁論とあって、多くの人が傍聴券を求めて並ぶ。

厚子さんのご家族、ならび要員を依頼したプロップ・スタッフ、あ、江川紹子さんも到着!「なんでこんな暑いの?!」と、江川さん。
「大阪やもん」と私。
13:00、抽選開始。

「今日こそは傍聴券をGETするぞ!」と意気込んだ私やったけど・・・わ~ん、またハズレた!(><)
このくじ運の悪さは、天文学的や!
江川さんもご家族も当たったので、私はなんとかスタッフの当たり券で入廷。

13:30、開廷したが、傍聴席に居た一人のオッサンが大声で「裁判長、チョンマゲ切って下さい!」「誰も切らないなんて日本は終わりです!」などと意味不明のことを叫び続け、強制退廷させられるというアクシデントが。
後で江川さんから聞くところによると、このオッサンは傍聴券を求めて並ぶ江川さんに近づき「あんたは機密費から、いくら貰ったんや!?」と話しかけたそうな。
う~む、暑さのせいか、大阪という土地柄か・・・あ、大阪の皆さんゴメンナサイ!!

オッサンが退廷させられ、法廷が落ち着いたところで厚子さんが信岡弁護士と入廷。
今日の厚子さんは、白のTシャツにベージュのスーツという落ち着いた服装。
いつものように毅然とした態度で弁護側に着席。

弘中弁護士の最終弁論が始まる。
3時間にわたる弁論は、冷静かつ理論的で丁寧な口調。
傍聴者にも配慮した、聞き取りやすい話しぶりだった。

弘中弁護士の最終弁論の論旨は以下のとおり。

「元凛の会会長であった倉沢被告の依頼により、石井議員が塩田元部長に電話で証明書の発行について口利き。塩田元部長が村木厚子元課長に発行を指示し、議員案件なので怪しい団体であるが、何がなんでも発行せねばと思った村木さんが偽造証明書の作成を部下に指示したことから、上村元係長がその指示に従って偽造証明書を作成した、という厚労省ぐるみの犯罪であり、その中心的役割を担ったのが村木さんである・・・という検察の創作ストーリが公判において完全に破綻した今、そのストーリを前提とした本件の争点はすべて瓦解し、村木さんは完全な無罪である」

との論旨に基づいて、争点の一つ一つを詳細に論破していくというものだった。
満員の傍聴席は、しわぶき一つなく、弘中氏の弁論に聞き入る。

3時間におよぶ最終弁論の後、村木厚子さん自身が証人席で「意見陳述」を行った。
厚子さん意見陳述内容は、次の通り。

「私は、本件の証明書の偽造には一切かかわっておりません。
いわゆる『議員案件』というものに対して、役所が事の善悪を考えず、『結論ありき』で、法律や規則をまげて処理をするということは、実際の行政の実態とあまりにかけ離れています。
私は、昨年の6月14日に逮捕され、7月4日に起訴されました。
その後、11月24日に保釈されるまで、5カ月以上拘置所で暮らしました。
その間、夫やふたりの娘達にも大変な心労をかけました。
起訴されたことによって、役所は休職という形になり、それまで30年以上続けてきた仕事から既に1年以上離れることを余儀なくされています。
私は、一日も早く無実であることが明らかになり、社会に復帰でき、『普通の暮らし』が出来る日が来ることを心から願っています。」

夫と二人のお嬢さん、そして満員の傍聴者の前で、背筋を伸ばし、静かな声で最後の意見陳述をする厚子さんに、201号法廷のすべての傍聴者が、心のなかで大きな拍手を送りました。

弘中弁護士の最終弁論全文が届き次第、改めてご報告しますが、今日の公判内容に関する報道を、以下にご紹介します。

判決は9月10日午後2時からです。

多くの人が、マスコミに報道された厚子さんと、本当の厚子さんの違いにショックを受けた公判やったと思います。
厚子さんの今日の意見陳述には、母として働く女性として、何より公務員の挟持を持って実直に生きてきた厚子さんの思いが鮮烈に込められている、と私は感じました。
厚子さんは「裁判」というものに関わられる全ての人に、深い内省を呼び起こしたのではないでしょうか。
そしてマスメディアを盲信し、ある時は踊らされてしまう私たちにも・・・

無罪判決・控訴棄却(一審にて無罪確定)そして厚子さんの職場復帰に向けて、多くの皆さんのご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。

<文責:ナミねぇ>

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