村木厚子さんの裁判を見守り支援する部屋

平成22年2月16日 第6回公判がおこなわれました。

元係長・上村勉被告の前任だった村松義弘・元係長が証人として出廷しました。

第6回公判 傍聴記 平成22年2月16日
by U花ずきんs

「第6回公判傍聴記 2010年2月16日 by U」

「企画課長村木さんから直接指示があることは、通常の仕事ではあり得ないし、指示されたこともない。」「村木さんは冤罪だと思う」と村松元社会参加推進係長。

 

  2月16日午前10時から検察側証人の村松義弘元社会参加推進係長の尋問が、休憩を挟んで、午後3時半頃まで行われた。村松元係長は、当時公的証明書の発行担当で平成14年4月から平成16年3月末までの在任期間中の取り扱いは、証明書が1件のみで、相談は「凜の会」案件のみであったという。

 

証人尋問の主な項目は、

  1. 凜の会の案件に関わったいきさつ。
  2. 村木課長との関わり。
  3. 検察の取り調べの状況

 

<証言の主な内容>:「記憶にない」が連発され、発音も不明朗で聞き取りにくかった。

 

*証人が「凛の会」関係者との面談で明確に覚えているのは、2回、検察官から3回と言われそうかなと思ったという。

第1回目は、2月下旬頃企画課事務室で、事前に北村企画課長補佐から「近々障害者団体の証明のお願いに来るよ」と言われていたが、北村課長補佐が何故知っているのか解らない。企画課から社会生活推進室に呼びに来られたので、田村補佐と金井室長の3人で企画課に行った。課長席あたりで挨拶をした。そのときは、村木課長と北村補佐がいた。

倉沢さんが国会議員の石井一の事務所のものと自己紹介し、「証明書の発行をお願いする」と言った。村木さん北村さんが何を言ったかは覚えていない。

場所を変えて倉沢さんに手続きについて(必要書類などについて)説明した。田村補佐も同席していた。倉沢さんの凜の会の説明が今ひとつ要領を得ないので大丈夫かなと疑問を持った。しっかり書類を出してほしいと言った。

2回目に凜の会関係者と会ったのは、河野さんとで、3月に入ってから。具体的やりとりを覚えていないが、私から河野さんに障害者定期刊行物協会(障定協)に行って相談のってもらったらと言ったと思う。河野さんに言ったか倉沢さんに言ったかは記憶が曖昧。少し怪しいかと思い田村補佐に相談したと思う。障定協に行かせたのは、二重チェック的意味合い。障定協の加入を待つつもりではなく書類が整えば厚労省独自で証明を発行するつもりだった。(何故、障定協を紹介したのか、何度もやりとりがあったが証人からは、明確な理由は示されなかった。)きちんと書類があれば判断できるし、基準満たせばいいが、基準満たさなければ障定協の加入が必要と考え河野に障定協を紹介したと思う。

 

<障定協の佐藤事務局長が持っていた凜の会の木村さんの名刺>が示され、そこに「石井TEL→村松」と書いてあるメモについての質問については、「解らない、石井議員からの電話はない」。

「4月に人事異動があるので田村補佐から後任の上村さんに引き継ぐよう言われた。」

*上村係長への引き継ぎ書には、「凜の会」の案件の記載がなかった点について、前任者からの引き継ぎ書に手を加えたので、なかった項目を付け足すことをしなかった。(手抜きなのかわざとなのか不明)口頭で引き継いだ。

引き継ぎとしては、石井国会議員がらみの問題だが今までのところ実態がよくわからない団体なので慎重にやるように引き継いだ。

<会則、機関紙>が示された。これへの証人のコメントは、「障害者というより高齢者福祉の色合いが強いと思う。」ということだった。

 

*取り調べの様子と供述調書についての尋問

村木課長から「ちょっと大変に案件だけどよろしくね」といわれたと調書にある件については、「私からは言っていないし、そんな事実もなかった。村木課長には、決裁とるときに説明するという場面になる。(決裁の流れが説明され、)通常、推進室長を飛び越えて直接課長からの指示はない。この件でも村木課長からの直接の指示はなかった。」

「議員案件であろうと理由がないものはできないし、議員さんは、理由をきちんと説明すれば理解してくれる。議員案件とそうでないものと明確に取り扱いを変えることはない。」

 

*北村企画課長補佐に誰が指示したのか解らない。課長か部長と思っていた。

*上村さんの逮捕直後でもしかしたら私も関与しているとされるのかと、私は捕まらないですよねと林谷検事に聞いた。検事は、ここで洗いざらい言わなければどうなるか解らないと言われ、いやだった。これ以上逮捕者は出ないと言われて、覚えていることは話そうと思ったが、覚えていないというとそんなことはないだろうと検事に厳しく言われた。上村さんの関係で証拠になるとは思ったが他の人に影響があるとは思わなかった。

 

*村木さんの関与について

証人は、「私が検察側の証人であることは心外。村木さんが上村さんに指示したというが、それなら前任の自分に指示があって当然。それがなかったので村木さんは冤罪と思う。事情聴取の時にも何度も申し上げた」と証言。

 

*取り調べが終わって厚生労働省によって長谷部補佐に取り調べの様子を報告した。どのようなことを聞かれどのように答えたのかと言うことを報告した。

<村松係長の取り調べ状況>と言う長谷部メモが示され、その内容の確認が行われた。証人は、内容はおおむねその通りだが、最初の文章の下りで、「村木課長から依頼があり・・・」とあるのは、自分は言っていないと述べた。長谷部メモは、長谷部が私の話を聞いてまとめたもの。私は、当日それを見ていないし、確認していない。

 

*証人尋問に当たって検事とは2回打ち合わせた。弁護士からの打ち合わせ依頼は、自分が検察側証人なのでまずいと思い断ったが、検事からは、断らなくてもよかったといわれ、あってもよかったと思っている。

 

村松証言は、「企画課長村木さんから直接指示があることは、通常の仕事ではあり得ないし、指示されたこともない。」「村木さんは冤罪だと思う」ということは、明確に証言したが、他のことは、ほとんど記憶があいまいであると言い続け、本当の経過がどうなのか、霧の中のような証言だった。

 

村木厚子さんは、始まる前、私とHさんに「おはようございます。有り難う。」と元気に声をかけて法廷入り。キャラメル色のセーターとこげ茶のスーツで終始、メモを取っておられた。

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「裁判傍聴2.16 村松元係長証人尋問 by 花ずきんs」

 真冬の再来のような寒い朝、偽の証明書を作成したとされる上村係長の前任者の村松係長の証人尋問が始まった。前回の公判で村木さんの元上司塩田元部長の証言により、電話の更新記録があるという検察の虚偽説明が明らかになり「すべては壮大な虚構だったと思う」「村木課長に指示はしていない」と検察側主張を覆す証言があった後だけに、今回は前回より傍聴席の人も増えた感じであった。

 村松証人の証言は私には聞こえにくいだけでなく、あいまいでわかりにくい証言が多いという印象であった。私はどこか疑いながら証言を聞いている自分に気づく。それでも今回も、村木さんが無罪だという点での証言は、明確だった。

 

その一方で、これは国会議員案件だと当初から思っていたような証言がしばしば聞かれるのに、いつ・誰からそのことを聞いて受け止めたのかは明確でない。

 

村松証人は公判前の弁護側からの打ち合わせの要請を断っていた。理由を聞かれると「自分は検察側証人だから」と。検察官があわてて「それは悪いことではないんですよ」と。

彼は一体何を恐れて真実を言い切らないのだろう。私が知りたいのは、真実であり、物語の作られた背景である。村松証人の話はとても疲れた。ロバの耳がほしい。

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