公的証明書「手渡しあり得ぬ」 郵便不正公判で厚労省元局長

日経新聞 2010年4月16日記事

 障害者団体向け郵便料金割引制度の悪用事件で、虚偽有印公文書作成などの罪に問われた元厚生労働省局長、村木厚子被告(54)=休職中=の公判は、15日午後も大阪地裁で被告人質問が続いた。同被告が偽造証明書を直接、団体側に手渡したとする検察側の主張に対し、同被告は「(同省で)通常、公的証明書を手渡すことは絶対にあり得ない」などと否定した。

 被告人質問はこの日で終了。計17人に上った証人尋問もすでに終わり、弁護側、検察側双方の主張がほぼ出そろった。

 証人尋問では、厚労省関係者が村木被告の関与を否定したが、検察側は「(同省関係者については)公判証言より、村木被告の関与を認めた内容の供述調書の方が信用できる」として、調書を証拠請求。地裁の採否を明らかにする5月26日の公判が注目される。

 弁護側によると、今後の公判は検察側の論告求刑を経て、弁護側の弁論、村木被告の最終意見陳述を行い、6月中に結審する予定。今秋にも判決が言い渡される。

 村木被告は15日の公判で、検察側の構図を真っ向否定。検察側は同被告が団体設立者(74)に直接、偽造証明書を手渡したとするが、同被告は「(手渡しというのは)検察の作ったストーリーで、霞が関で働く者が聞くと全くおかしな話」と反論した。

ページの先頭へ戻る