「特捜なめるな」と言われ署名 元課長補佐 「村木被告が指示」調書に

読売新聞大阪朝刊 2010年3月4日記事

 ◆郵便不正公判

 郵便不正事件に絡み、偽の障害者団体証明書を発行したとして虚偽有印公文書作成罪などに問われた厚生労働省元局長・村木厚子被告(54)の公判が3日、大阪地裁であり、当時部下だった北村定義・元企画課長補佐(61)(退職)が証人出廷した。北村元課長補佐は、村木被告の指示を認めた供述調書について、「記憶にないことが書かれていたが、検事に『特捜をなめるな』『1泊か2泊していくか』という趣旨のことを言われ、やむを得ず署名した」と証言した。

 検察側主張では、北村元課長補佐は2004年2月頃、企画課長だった村木被告の指示で、自称障害者団体「凛(りん)の会」元会長・倉沢邦夫被告(74)に担当者を紹介したなどとされる。

 北村元課長補佐は公判で、「記憶にはなかったが、検事から『倉沢被告があなたの名刺を持っていた』などと言われ、そういうこともあり得るかなと思った」と調書に署名した経緯を説明。最近になって、別の検事から倉沢被告が名刺を持っていなかったと知らされたことも明らかにした。

 一方、村木被告の部下だった元係長・上村勉被告(40)は同日午前、証人出廷し、今回の証明書のほかにも、自分の一存で厚労相印を無断で使って公文書を不正発行していたと証言。村木被告の弁護側は、上村被告の被疑者ノートを証拠請求した。

ページの先頭へ戻る