チャレンジド就労促進は、企業との連携から!!
その1.新日本製鐵(新日鐵)株式会社との連携

2009年2月17日

チャレンジドの就労促進に何より重要なのは、企業との連携です。でも世界的な不況の波が日本企業にも大きな影響を与えている今、チャレンジドの就労は、企業トップが熱いビジョンを持っていなければ促進されません。そして同時に、就労支援を行う組織と企業トップや社員の皆さんとの信頼関係がなければ、その継続もあり得ません。プロップ・ステーションのチャレンジド就労促進事業も、支援企業との信頼関係に基づく連携によって、今日まで前進してきました。

これからいくつかの事例を連載の形で、皆さんにお伝えして行きたいと思います。

 

その1.新日本製鐵(新日鐵)株式会社との連携

新日本製鐵(新日鐵)との連携は、7年前に始まりました。プロップでグラフィックスソフトを学びイラストレータになったチャレンジドとナミねぇが、慶応ビジネススクール・エグゼクティブコースで講演させて戴いたことがそのきっかけ。

そのスクールを受講された新日鐵名古屋工場副社長(当時)の二村文友さんが、重度脳性マヒの青年が素晴らしいグラフィックスを描き、かつナミねぇと軽妙な漫才みたいなトークを繰り広げたことに感銘を受け、名古屋工場からチャレンジドに仕事を発注できないか、社内で検討して下さったことから、プロップと新日鐵とのお付き合いが始まりました。

「鉄の現場」である製鉄所では、チャレンジドの雇用が難しいけれど、「アウトソーシングなら可能じゃないか」という議論が二村さんを中心に行われ、ナミねぇを社員向け研修会講師に何度も招いて下さったりして「ICTを駆使すれば、チャレンジドが在宅でも働ける」ということを社員の皆さんが確信して下さったんです。

「製鉄所」は、匠(たくみ)たちの技に支えられている職場なんやけど、匠たちの多くが定年を迎える日が近づく今、彼らの技をきちんとデータ化して継承できるようにしよう! という目標に基づき、大量の、しかもその多くが手書きの紙資料を、ワードやエクセルを使ってデータ化し、どのセクションからでもイントラネットなどで取り出せるようにする、というプロジェクトが始まりました。

多くの試行錯誤を経て、5名のチャレンジドが在宅で従事する形で始まったこのプロジェクトが、今では17名のチャレンジドがチームを組んで推進するまでになったことから、先月私は新日鐵本社を訪問し、会長である三村明夫さんにお会いして、お礼を申し上げるとともに、今後の展開についてご相談させて戴きました。

三村会長は、経済財政諮問会議の委員や、財政制度審議会委員、中教審会長にも就任されるなど、政府にも率直な意見を述べられる立場におられ、お会いするまでは「固〜い人やったらどうしよう」と、ちょっと緊張したんやけど、お会いしてみるとすっごくフランクで温かい方でした。

三村さんは「チャレンジドがもっともっと働ける社会を創造したいんです。経済界のリーダーとして、ご助力をよろしくお願いします!」というナミねぇの話に真摯に耳を傾けて下さり、「経済界に働きかけるなら、まずはもっと新日鐵から仕事が提供出来なければいかんね」と、にこやかに言われ、全国の新日鐵の製鉄所に指示を出して下さいました。

このような経緯で、ナミねぇは今、新日鐵の各地の工場を行脚し、見学をさせて戴くと共に、発注のお願いと打合せを続けさせて戴いていますが、今発売中の「文藝春秋」に掲載されている三村さんの『「良い赤字」で日本を復活させよ』という寄稿に書かれているとおり、今回の大不況の中でトップである三村さんが「我が社はリストラをしない!」と宣言されたことによって、工場で働く人たちの士気がすっごく高まっていることを肌で感じ、大きな感銘を受けました。

企業からの仕事を受託するには、バックオフィス機能を果たすプロップが、納期、価格、クオリティ、セキュリティなど、たくさんの守るべきことのノウハウを蓄積し、企業の信頼を得る努力を積み重ねて行かねばなりません。でも何より重要なことは、その仕事をチャレンジドたちに提供下さる、トップの英断と見識なのだと、改めて深く感じたナミねぇです。

三村会長そして新日鐵の皆さん、本当にありがとうございます。そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。m(_ _)m

次回は、神戸スウィーツ・コンソーシアム(KSC)を、プロップと共に推進して下さっている、日清製粉株式会社をご紹介します。お楽しみに〜!!!!! (^0^)/

by ナミねぇ

 

リンク

新日本製鐵株式会社のサイト

三村明夫さん『ウィキペディア(Wikipedia)』

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