ナミねぇの社会保障国民会議 第9回親会議(最終とりまとめ)での発言をご紹介します。

2008年12月16日

11月4日、総理官邸において「社会保障国民会議 第9回親会議(最終とりまとめ)」が開催されました。

今年1月に福田前総理のもとで始まったこの会議ですが、30数回におよぶ親会議、分科会を重ね、最終とりまとめを受け取られたのは麻生太郎総理でした。

現在は支持率も下がり、パッシングの嵐の中に居る太郎さんですが、思い起こせば、政調会長時代から長年にわたりプロップのミッションを理解し、応援して下さっており、また友人としても親交を深めて来ました。2003年にはプロップ神戸オフィスを訪れ、スタッフやチャレンジド在宅ワーカーたちとTV会議で意見交換をするなど、「ユニバーサル社会の実現」に強い関心と共感を持ち続けてこられたんです。その時の模様はこちらでご覧くださいね。

プロップが主催する「チャレンジド・ジャパン・フォーラム国際会議2006」においては、外務大臣として、熱いメッセージを寄せて下さいました。

また、Webのクリエイティビティとアクセシビリティを推進する活動「アックゼロヨン」には創設から関わっておられ、ユニバーサルなWebを制作したクリエイタたちを顕彰するアワードには必ず出席し、表彰状の授与やトークライブにも出演されるなど「Webを通じたユニバーサル社会の実現」にも尽力してこられました。

そんな太郎さんですが、現在は金融や雇用の不安など急激な経済状況の悪化に伴い、支持率も下がって、友人であるナミねぇとしては大変複雑な心境ではあります。

11月4日の社会保障国民会議でお会いした時は、まだ今ほどの政治状況にはなっておらず、持前の明るさでこの難局を乗り切って欲しいとの願いを込め、思わず「太郎さん!」と話しかけてしまったナミねぇです。

社会保障国民会議 第9回議事録全体の概要は、こちらのサイトに掲載されていますので、ご照覧戴けると幸いです。

ということで、社会保障国民会議(最終とりまとめ)におけるナミねぇの発言を以下に記します。

by ナミねぇ

 

第9回社会保障国民会議本会議におけるナミねぇの発言

吉川座長(吉川 洋 東京大学大学院教授)
 では、竹中委員。
竹中委員
  太郎さん、お久しぶりでございます。「ユニバーサル社会の実現」をめざすプロップ・ステーションの活動に、長年、温かいご支援を下さっている太郎さんとこのように総理官邸でお会いできることを大変嬉しく、また心強く思います。

 今、高木さんから「この会議が、総理が先般消費税について触れられたこととリンクして、マスコミ等でマイナスのイメージが広がるのではないか」といったお話がありましたことについて、意見を申し上げたいと思います。

 プロップは「チャレンジド(障害のある人たち)をタックスペイアにできる日本」というスローガンを掲げて活動してきました。日本において「タックスは国民の負担である」という考えが主流ですが、私はタックスペイアはまさに主権者であり発言者であるのだという意識で、このスローガンを掲げています。すべての人がタックスペイアとしての誇りがきちんと持てるような国家であってほしい、という願いを持ってこの20年間、活動をしてきました。

 そういう意味で、太郎さんが先般、この政局の大変なときに消費税にまで踏み込まれたということは、大変な英断でありますし、恐らく腹をくくっておっしゃっていただいたのだろうと思います。

 その税に関して言いますと、私たちの活動は、1つはアメリカを参考にしてきました。それは、障害のある人たちが「私たちもタックスペイヤーになる権利がある」ということで、長年、アメリカ国民として運動され、政府機関は「彼らをタックスペイヤーにする義務がある」ということで、双方の努力により、チャレンジドが社会的な地位が得られるようなアメリカを創造してきました。

 私たちのカウンターパートでありますペンタゴンのCAPという組織では、最高の科学技術やICTを駆使することで、最重度のチャレンジドまでもが政府官僚や企業のリーダーになれるというところにまで達しており、私たちはそのミッションと取り組みを非常に大きな参考にしてきました。

 もう一つ、社会保障とか社会福祉という点では、私たちはスウェーデンと様々な連携をとって推進しております。先ほど樋口さんからも少しお話がありましたけれども、スウェーデンという国は、高齢化率に関しては日本よりはやや緩やかになっているんですけど、過去には世界一の少子高齢化を経験した国です。しかしながら、資本主義国家の中で最も社会保障に成功したと言える国になりました。例えば消費税が25%であるということについて、それは「高福祉で高負担の国」というような言い方が日本ではなされるんですが、実はこの25%とは何かというと、教育が大学教育まですべて無償である、あるいは医療、それから高齢者のケアというようなこともすべてこの税の中で行われる。なおかつ最近では、認知症と言われる方々までが社会で自立できるような仕組みを、制度設計だけでなくICTを駆使たり、さまざまな看護の手だてのノウハウを、シルヴィア王妃がつくられた財団で開発をされて、全国的に広げていらっしゃる。このすべてに税が投入されていることによって、スウェーデンの国民は、子育ての真っ最中であっても、あるいは自分が介護必要な高齢の目前になっても、数十万の貯金があれば安心だと、という国家になっているわけです。これは単に「高福祉・高負担」ということではなく、国家の哲学と国民の選択の結果なんだろうと思います。

 社会保障のあり方というのはまさに国家の哲学であって、今回の国民会議では、この哲学の部分をみんな必死で10カ月かけて議論をしてき、たくさんの資料なども読み解き、数字のシミュレーションもしてきました。そういう意味で、国民すべてが参画をして社会保障を支えていこう、みんなが当事者、みんなが受益者であると同時に責任者なんだよという結論を出したこの最終報告が、間違ってマスコミに広がって行ってほしくはないなと思うと同時に、議論をしてきた私たち自身が哲学の話をしたのだと、そしてそれを今度は具体的に落とし込んでいくのだというところを、きちっと胸を張って言えるようにしていかねばならないと思います。

 総理がかわられて、大臣もこの議論が始まったときからお顔ぶれもお変わりになっていますけれども、そういう意識で私たちは議論をしてきて、この案をつくり上げたということをご理解いただければ大変うれしいなと思います。

社会保障国民会議本会議第9回会合 議事要旨より抜粋

社会保障国民会議(第9回)議事要旨(原文・PDF)

 

社会保障国民会議 リンク

首相官邸社会保障国民会議ホームページ

社会保障国民会議 最終報告

社会保障国民会議 中間報告

ナミねぇの第8回社会保障国民会議本会議での発言をご紹介します。

ナミねぇの第7回社会保障国民会議本会議での発言をご紹介します。

社会保障国民会議の第7回会合で中間報告が取りまとめられ、吉川洋座長より手交されました。

ナミねぇの第5回社会保障国民会議本会議での発言をご紹介します。

ナミねぇが社会保障国民会議 第5回サービス保障(医療・介護・福祉)分科会で発言しました。

ナミねぇの社会保障国民会議(第二回・第三回本会議)での発言をご紹介します。

ナミねぇが社会保障国民会議 第1回サービス保障(医療・介護・福祉)分科会で発言しました。

「“野獣”ナミねぇ、官邸で吠えさせていただきました!」 −第1回社会保障国民会議での発言。

「社会保障国民会議 委員」に就任いたしました

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