「ユニバーサル社会の実現をめざすシンポジウム」の字幕映像を公開しました!

2008年7月23日

ナミねぇです! プロップ・ステーションがこの3月に開催した「ユニバーサル社会の実現をめざすシンポジウム」には、各方面からほんとうに大きな反響をいただき、いよいよユニバーサル社会実現へ向けての取り組みが本格化してきていることを、たいへん嬉しくまた心強く思っています。「ユニバーサル社会基本法」制定をめざす与党ユニバーサル社会プロジェクト・チームや、社会保障国民会議委員としての活動を通じ、先のシンポジウム開催の意義がますます高まっていることを感慨をもって見つめ、あらためて自身の責務の重さに身の引き締まる思いがいたします。

そのシンポジウムの映像を、このたび株式会社カンバスの協力により字幕化して公開させていただくこととなりました。プロップ・ステーションでは、ユニバーサル社会実現へむけての重要なツールである字幕放送を、より身近にする取り組みを産官政学民を巻き込んで続けていますが、字幕放送の意義を障害の有無にかかわらずすべての人の利便性という観点からとらえることで、その普及に努めてきました。シンポジウムで基調講演をされた米国防省CAP理事長のダイナー・コーエンさんが、講演の中で次のように語っておられます。

[写真]ダイナー・コーエン 米国防省CAP理事長

『アメリカの場合は、(テレビに)字幕を付けます。常にテレビがオンになっていて字幕が出ているのは、どういう場所か分かりますか? 答えはスポーツバーです。スポーツバーにいくと必ず字幕があります。日本にはあまりないかもしれませんが、アメリカではいろいろなスポーツのゲームを見るためにスポーツバーに行きます。そうすると、必ずテレビがオンになっていて、字幕が付いています。でも、そういうスポーツバーは耳の不自由な人のことを考えてそうしていると思いますか。そうではないのです。スポーツバーに行くと(声援や騒音で)誰だって何も聞こえなくなってしまうのです。耳が不自由な状態になってしまう。要するに、字幕を見なければ中身は分からない場所なのです。ですから、ユニバーサルデザインというのは、実は健常者にも役に立つということです。単にチャレンジドだけのためではないということです』(要約)

ダイナーさんが語られている通り、アメリカではすでに10年以上前から字幕放送が普及し、それはスポーツバーのような場所で誰にとっても必要とされるからこそ、ビジネスとしても成立しているんですね。日本では今までともすれば福祉的な発想から字幕がとらえられていたのですが、これからは放送を提供する企業のみなさんや、放送事業者の皆さんとともにビジネスチャンスとしての字幕放送のあり方も積極的に考えて行きたいと思います。

こうしたことから、このたび「ユニバーサル社会の実現をめざすシンポジウム」の映像を字幕化してお届けできることは、二重の意味で意義深いことではないかと思います。どうぞみなさんもシンポジウム字幕映像をご覧いただき、その利便性に触れていただけることを心より願っています。

最後に改めて、字幕作成にご協力下さった「株式会社カンバス」の皆さんに、心より御礼申し上げます。

by ナミねぇ

 

「ユニバーサル社会の実現をめざすシンポジウム」 字幕付きムービークリップ

1.主催者竹中ナミ(ナミねぇ)プロップ・ステーション理事長 開会の挨拶 (05:40) くぼりえさんの紹介を含む

2.福田康夫内閣総理大臣 ビデオメッセージ  (02:11)

3.ジョン・トーマス・シーファー駐日米国大使 ご挨拶 (07:53)

4.太田昭宏公明党代表 ご挨拶 (05:04)

5.鳩山由紀夫民主党幹事長 ご挨拶 (07:05)

6.ダイナー・コーエン米国防総省CAP理事長 基調講演 (34:54)

7.パネルディスカッション (1:01:29)

「ユニバーサル社会の実現をめざすシンポジウム」のページ

 

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