ナミねぇが社会保障国民会議 第5回サービス保障(医療・介護・福祉)分科会で発言しました。

2008年6月24日

さる6月4日に内閣府にて開催された社会保障国民会議の第5回サービス保障(医療・介護・福祉)分科会の議事録が公開されましたので、ナミねぇの発言部分を以下に紹介します。

 

社会保障国民会議 第5回サービス保障(医療・介護・福祉)分科会におけるナミねぇの発言

竹中委員 ナミねぇです、よろしくお願いします。
  「どんな人にも必ず社会を支える力があって、それを引き出すことが社会保障、あるいは福祉の第一歩だ」という立場、考え方で活動している私たちですが、今回の分科会のまとめの方、理念については、共感できます。
 細かいことを言えばいろいろあるんでしょうけれども、少なくとも医療を提供する側とそれからそれを必要とする側、双方にそれぞれの努力、認識が必要だということ、そして、日本の医療が世界的に高いレベルということにご反論もありましたけれども、 私はあまり自虐的にはならずに、やはり高いのだと思います。いろいろな世界各国を見まして、高いと思います。
 ただ高いけれども、それが今、大変大きな危機といいますか、転換せねばならない時期に来ているときに、先ほども言ったように、提供側とそれを必要とする側が、共通の認識というか協働の責任者として、どうしていくのか考えましょうということを、この文面は訴えておられるんだろうという意味で、大変共感して拝見をしました。
 ただ私たちの活動の経験から、もう少し強調していただきたいところが2カ所ありますので、それを発言させて戴きます。1つは5ページの「IT化」というところとそれから7ページの下のほうの「介護支援・自立支援関連機器の技術」というところです。IT化に関して言いますと、医療におけるIT化というのは合理化につながるということで、いろいろな意味で反対がものすごく大きかった分野ではあります。でももうここへ来て、先ほど社会保障カードの必要性についての発言がありましたけれども、そういった取り組みはもう絶対に欠かせないものだと思います。
 国民背番号制につながるというような批判や反論もあるんですけれども、ここは私は政治が決断していただいて、きちんと一人一人が自分の医療の状態、あるいは受けている介護、受けている社会保障について利用者自身と提供者側が双方向で確認をできるといったようなものに、できるだけ速やかに取りかからねばならないと思います。これは、移動や情報の受発信に困難を伴うチャレンジドたちが、ITを駆使することでそれをスムーズに行えるようにして来たというプロップの活動経験から、その有効性を私たちが実感していることをお伝えしたいと思います。
  それから、7ページの自立支援機器なんですけれども、車椅子をちょっと例にお話をしますと、車椅子をつくる技術において、日本は世界一の技術を持っているんです。けれども「車椅子に乗った人は、かわいそうな人になっちゃったね」という福祉観を日本社会が持つがゆえに、車椅子に乗った人を社会に押し出すという視点を欠き、つまり自立支援機器、アシスティブ・テクノロジーというふうに西洋では呼んでいますけれども、その部分に関しては大変遅れてしまったという、非常にもったいない状況になっています。
  例えば、プロップステーションの仲間たちの車椅子を使っている人たちは、アクティブな考え方の方が多いんですけれども、残念ながら日本の車椅子ではなく、米国、スウェーデンなど海外の先進諸国の車椅子を使われる。それはなぜかということは、海外先進諸国の車椅子は、その人を社会に押し出すためのシーティング技術、骨格とか筋肉までを全部考えたシーティング技術によって、その人が朝目覚めて、夜休む、つまり朝起きて車椅子から降りて寝るまでに、何をその人がなすのか。どんな仕事をしたり、どんな生活をするのかということを前提にした視点でつくります。ちなみに日本の車椅子だと長時間乗っていたら褥瘡ができる、と言われます。「褥瘡と体幹の歪みの進行は、車椅子に乗った人の宿命」と日本では言われるですが、西洋型の考え方 によって造られたアシスティブ・テクノロジーの車椅子というのは、それに自分が身にまとう衣装のように、衣料品のように考え、そして利用者の力を100パーセント発揮させるのだ、という考え方でつくられているわけです。
 プロップステーションの仲間に難病の女性がいらして、日本製の電動車椅子に乗って、週2、3回プロップに通い、あとは在宅でお仕事をされていましたが、その週2、3回でやはり褥瘡ができたり、体の歪みが起きたときにお医者さんから「そんな体で車椅子で出歩くからだよ。あんた、寝たきりになるで」と言われて、すごくショックを受けられました。彼女は、西洋型の車椅子のことをご存じなかったので、それを紹介したんですね。そしてオーダーメイドのシーティングを受けてつくったところ、毎日、きちんとお仕事ができて仕事が終わるとその車椅子でワンコを連れて散歩する、という状態になり、今も明るく元気に仕事をされています。
 ですので、せっかく自立支援機器というところまで踏み込んで書いていただいておりますので、本当にその人を社会に押し出せるようにしよう、といった表現を入れていただくと、日本において自立支援機器製造にかかわられている高い技術を持たれた方々も勇気を出してといいますか、意識を変えていただけるのじゃないかと思います。IT技術の導入と自立支援機器の充実の2点の加筆をお願いしたいと思います。以上です。

社会保障国民会議 サービス保障(医療・介護・福祉)分科会 第5回会合 議事要旨より抜粋

 

社会保障国民会議 リンク

首相官邸社会保障国民会議ホームページ

ナミねぇの第5回社会保障国民会議本会議での発言をご紹介します。

ナミねぇの社会保障国民会議(第二回・第三回本会議)での発言をご紹介します。

ナミねぇが社会保障国民会議 第1回サービス保障(医療・介護・福祉)分科会で発言しました。

「“野獣”ナミねぇ、官邸で吠えさせていただきました!」 −第1回社会保障国民会議での発言。

「社会保障国民会議 委員」に就任いたしました

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