日本経済新聞 2013年3月8日より転載

【思い出 あの店】(飛騨高山料理 花里)
オカンの喜ぶハレの食卓


プロップ・ステーション理事長
竹中ナミさん

社会福祉法人理事長の竹中ナミさんが仕事の付き合いや、家族の誕生日などハレの日に出かけるのが自宅にほど近い「飛騨高山料理 花里」だ。「マスターが気持ちよくもてなしてくれるのがいい」

竹中さんが初めて訪れたのは1996年1月のこと。「今日事務所を六甲アイランドに開いたんですよ」。リュックサックを背負って来店した竹中さんの姿を、店主の松平寿史さんはよく覚えている。以来17年。その人柄と料理にひかれて通い続ける。

店はカウンター席と、掘りごたつ式のテーブル席で最大46人が入れる。おすすめコースの料理は、前菜、お造り、毛ガニの酢の物、焼き物2種、天ぷら、飛騨産の牛朴葉(ほおば)味噌焼きなどで構成する。

天ぷらには山菜、焼き物にはイワナ、アマゴ、ヤマメ、アユといった具合に「旬の素材を味わってもらう」(松平さん)。日本酒も飛騨地方の12の酒造の品をそろえる。

竹中さんは86歳の母、恭子さんとも度々訪れている。高齢の恭子さんは「童返りが進みつつあるが、花里に行くのをとても喜ぶ」と竹中さん。「長年、保険の調査員として働き、家族の求心力でもあったオカン。おいしいものを食べて喜ぶ姿を見るのが何よりです」

【思い出 あの店】飛騨高山料理 花里


神戸市東灘区住吉宮町7の3の27。(電)078・842・0780。営業は午後5〜11時。料理は5000円のおすすめコースが中心。日曜・祝日は休み。

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