毎日新聞 2011年6月26日より転載

洋菓子、最高

パティシエ 障害者ら対象に講習会

プロの“魔法”に感心

アドバイスを受けながら菓子作りに取り組む参加者ら =神戸市東灘区で

 障害のある人を対象に、一流パティシエが洋菓子業界で活躍する人材を育てる「神戸スウィーツ・コンソーシアム」の今年度の講習会が25日、神戸市、愛知県一宮市の2会場で始まった。障害者の就労を支援する社会福祉法人「プロップ・ステーション」(竹中ナミ理事長)と日清製粉が08年から続ける取り組みで、今年で4回目の開催。

 参加者の多くは、障害者作業所などで菓子作りに取り組んでいる知的障害者ら。同講習会の卒業生には、プロのパティシエとして活躍している人もいるという。当初は神戸のみで開いていたが、全国に広めようと昨年からメーン会場の様子をインターネット回線を使って中継し、複数会場で同時に指導をしている。

 神戸市東灘区の日清製粉東灘工場であった開会式で、竹中理事長は「おいしい菓子をたくさんの人に届けられるよう頑張って下さい」とあいさつ。この日は、愛知県一宮市の修文大学で名古屋東急ホテルシェフパティシエの原富彦さんが指導した。神戸会場では、ネット中継を見ながら製菓会社モロゾフの八木淳司さんらが、フランスの焼き菓子2種類の作り方を指導。参加者はプロの手さばきやアドバイスに感心しながら、菓子作りに取り組んでいた。

 神戸市北区の徳山雄祐さん(30)は「初めて作る菓子だったので不安もあったが、指導を受けて自信になった。将来はプロのパティシエになりたい」と話していた。講習は11月まで6回あり、次回は7月16日に岡山と神戸で開催する。【米山淳】

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