ブランスリー新聞 2010年1月号より転載

障害者の菓子職人を育てる
講座の修了式を行う

社会福祉法人プロップ・ステーションなど

 社会福祉法人プロップ・ステーション(神戸市東灘区、竹中ナミ理事長)、日清製粉、日東商会は、東京・目黒区のウエスティンホテル東京で11月30日、障害者(チャレンジド)の菓子職人を育てる講座「神戸スウィーツ・コンソーシアム in東京『チャレンジド・プログラムVol.2』」の修了式と成果発表会を行った。会場では受講生が作った菓子とパンが展示され、4人の講師を代表して八木淳司氏(モロゾフ)が受講生一人ひとりに修了証書を授与。最優秀賞は菊地由香さん(パン工房ひよこ)が受賞した。展示された菓子とパン16作品は修了式後の懇談会で集まった関係者が試食。展示作品の半数ほどが、作業所や施設などで現在販売されている。

菊地由香さんのパンの写真
最優秀賞を受賞した菊地由香さん(パン工房ひよこ)の「ケーゼゲバッケン、ベーコンとチーズのガレット、ソフト・パン・コンプレ」。店舗で販売中のクリームパンも展示

 修了式には高円宮妃殿下がご臨席され「私もときどきパンやお菓子作りをしますが、食べた人がおいしいと言ってくれたとき、一番うれしく思います。皆さんも今後喜んでもらえるようなスイーツやパンを作り続ける努力をしていただきたいと思います」と祝辞を述べた。

 続いて鳩山由紀夫内閣総理大臣がビデオレターで「将来皆さんの作ったスイーツをぜひいただきたいと思っております。皆さんの未来はこれからです」と受講生に向け、激励の言葉を送った。

集合の写真
高円宮妃殿下(下段中央)と講師、受講生ら

 講師を務めた八木淳司氏(モロゾフ)は講評で「受講生だけでなくほかの職員や家族など周囲に与える影響の大きさを肌で実感している。私の息子も障害を持っており、親御さんの気持ちが痛いほどわかるので、役に立てればと思って講師を始めた。パンや菓子の業界では今までこういうチャンスはなかなかなかったのでありがたい。この活動を全国に広めていきたいと思う」と述べた。

高円宮妃殿下の写真
受講生と話しながら作品を召し上がる高円宮妃殿下

 「チャレンジド・プログラム」は08年に神戸で初めて行われ、2回目の今回は09年6月より東京・中央区の日清製粉小網町ビルなどで全6回にわたって行われた。マドレーヌやポテトパンなど計7品目について、八木淳司氏(モロゾフ)、永井紀之氏(ノリエット)、西川功晃氏(ブーランジェリーコム・シノワ)、野澤孝彦氏(コンディトライノイエス)の4人が講師を務めた。八木シェフは1回目から引き続いての参加になり、ほか3人は今回新たに加わった。来年は近藤冬子氏(ラ・シュエット)をはじめ講師を増やすほか、衛星放送を用いて東京と神戸の両会場で開講し、受講生を増やしていく予定だ。

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