NEW MEDIA 2009年11月号より転載

神戸スウィーツコンソーシアム(KSC)

受講生の"腕"も"気持ち"もグングンと

全員集合の写真
受講生、講師、そしてサポーターの全員集合!

 「プロのパティシエになりたい」というチャレンジド(障害のある人たち)受講生たちの夢。それに応えるように超一流パティシエの講師たちが技を伝える。それを支える支援者たちの「障害者が作ったモノだから買ってあげようという福祉から、本当においしいから買いますというホンモノづくりを応援したい」という想いが結び合って、KSC(主催:社会福祉法人プロップ・ステーション)パティシエ養成講座の静かな熱気となっている。

 「まだ高等部3年なので受講できないんですが、本人は菓子づくりが好きで、菓子職人になってみたいという希望が強いので聴講させていただいています」という親子も熱心にメモを取っている。そして受講生の計らいで、生地をこねたり、混ぜたりを手伝わせてもらい、その感触をしっかりと学んでいる。母親は「将来の仕事が限られているんです。やってみたいという仕事を選ぶことなどできません。KSCのパティシエ講座はチャンスを広げてくれているんです」と聴講する気持ちを話してくれた。

 講座会場は、東京・日本橋の近くにある日清製粉の加工技術センター。その裏方−−材料の準備から、調理の進行に合わせてボールや計量カップなどの道具を出し入れするのは、日清製粉の社員たちだ。「自分たちの本業である粉を使って、チャレンジドの挑戦に協力できることは、私たち一人ひとりにとってもチャレンジングなことです」というサポートが、スムーズな講座を支える。

 そんな全体のハーモニーが、3回目を迎えた8月の講座では、これまでの2回の緊張した表情をリラックスさせ、自然と笑顔が広がってきた。それとともに、学ぶ意欲もさらに高まってきているようだ。11月30日に成果発表会と修了式が予定されている。

ページの先頭へ戻る