日清経営技術センター会報(2009年9月号) より転載

日清製粉が神戸スイーツコンソーシアムに協力

竹中ナミ理事長の写真
竹中ナミ理事長

佐々木明久社長の写真
佐々木明久社長

八木淳司氏の写真
挨拶する八木淳司氏

4人のシェフの写真
4人のシェフが勢揃い

 日清製粉はパティシエを目指すチャレンジド(※障害のある人)を支援するプロジェクト「神戸スウィーツ・コンソーシアムin東京」(主催は社会福祉法人プロップ・ステーション)に協力、6月20日(土)、日清製粉小網町加工技術センターで、約100名が参加し開講式が行なわれた。

 神戸スウィーツ・コンソーシアム(=KSC)第1回目はスイーツのメッカ神戸で開催、日清製粉が協力、東灘工場を会場に開催された。2回目の今年は東京での開催となったが、マスコミの関心も高く、開校式に先立ち、記者会見が行われたほどであった。

 開校式では主催者のプロップ・ステーションの竹中ナミ理事長が、「20年前から障害のある人に活躍してほしいという思いから活動を行なってきた。KSCは、昨年、洋菓子発祥の街といわれる神戸から障害者の菓子職人を育てる目的でスタートした。今年はたくさんの応募者の中から8名を選定した、全員プロを目指している。同スクールでは一流のパティシエから菓子作りの技術だけでなく、経営ノウハウも学ぶことができ、障害者パティシエの自立を支援する意味でも大変意義深い。今回も日清製粉、日東商会をはじめ、多くの企業や行政の支援をいただいて実現することができた。また、今年は昨年講師を務めていただいたオーストリア政府公認の製菓マイスターの称号を持つパティシエの八木淳司氏(モロゾフ)に加え、仏菓子店『ノリエット』の永井紀之シェフ、神戸『ブーランジェリー・コム・シノワ』の西川功晃シェフ、ウィーン菓子店『コンディトライ ノイエス』の野澤孝彦シェフの三名に新たにご参加いただくことになり感謝している」と挨拶した。

永井シェフの写真
見守る永井シェフ

作品の写真
昨年参加者の作品

 日清製粉の佐々木明久社長が協力企業を代表し、「昨年は、当社の神戸東灘工場を会場とし、6〜12月にかけてスクールを実施。全てのプログラムに全員が参加し、修了証書を取得した。今回は、東京で4名の一流講師により開講する。一流のパティシエの卓越した技術に直接触れられることはとても素晴らしいこと。プロップ・ステーション、一流シェフ、行政、メーカー、卸業者など業域を超えたパートナーシップを組んで、最高の場をつくった。またとないチャンスでもあり、参加者の皆さんは夢の実現に向けて頑張っていただきたい。このプログラムは今後大きく広がっていくものと確信している」と語った。

 講師の八木氏は、「今回は菓子だけでなくパンについても講習する。受講生だけでなく、職員の方たちへの提案も行なっていきたい」と挨拶。集まった100名の関係者には昨年チャレンジドとして参加した生徒より、自分がつくった菓子がプレゼントされる一幕もあった。

八木シェフの写真
焼き上がったマドレーヌを見ながらねぎらう八木シェフ

 開講式の後、「マドレーヌ」をテーマに第1回実習が行なわれた。8人の受講者はサポーターとともに、熱心にマドレーヌ作りに取り組んだ。八木氏、永井氏。西川氏、野澤氏の4人のトップパティシエの熱心に指導、厳しさの中にも終始なごやかな雰囲気で実習が行われた。マドレーヌが焼きあがると会場は甘い香りが漂い、受講者からは笑みがこぼれた。

 今後11月30日まで毎月1回、計5回の講習を予定している。

※チャレンジドは米国等で障害者に対する新しい呼称として用いられている、「挑戦する使命を与えられた人」の意。

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