毎日新聞 7月30日より転載

郵便不正

村木局長 無実主張

本誌記者接見 関係者証言に涙

もっと前に話を聞いてくれていたら


村木厚子被告

郵便不正を巡る虚偽公文書作成事件で起訴された厚生労働省の元雇用均等・児童家庭局長、村木厚子被告(53)=起訴休職中=が、大阪拘置所(大阪市)で記者の接見に応じ、現在の心境を語った。大阪地検特捜部の取り調べに対し一貫して無実だと主張した姿勢に変化はないと強調。時には涙を流す場面もあったが、支援活動の動きに笑顔も見せた。

同事件は争点を整理する公判前整理手続きが9月から始まる見通し。今月28日に約10分間、同拘置所の面会室で接見した。

事前に任意聴取がなく逮捕されたことについて、村木被告は「もっと前に(特捜部が)話を聞いてくれていたら、こんなことにはならなかったと思っています」と述べた。また、今月4日に起訴されるまでは「やっていないことを(取り調べで)『やった』と言わないように気をつけた」と振り返った。

一連の捜査で、村木被告が厚労省障害保健福祉部企画課長だった当時、係長で部下だった上村勉被告(40)らが、村木被告の不正関与を裏付ける証言をしたとされる。村木被告は特定の人物名は挙げず、「(いろんな人が)いろんなことを言う。人間はある意味、非常に弱いという気がします」と涙ぐんだ。

 局長として力を入れていた改正育児・介護休業法が逮捕後に成立し「本当によかった」と表情を緩めた。親交のある堂本暁子・前千葉県知事らが「村木被告は無実」として、速やかな保釈を求めるなどの支援の輪が広がっていることについて「びっくりしています」と笑顔を見せた。

 公判開始は年明けになる可能性もあるが、「焦らない。じたばたしても、なんとかなるものとならないものがある。それをしっかり考えていきたい」と述べた。

 一方、大阪地検は、弁護側が厚労省職員らの調書を不同意として、出廷する証人の数が多くなると予想。複数の検事が公判に立ち会う構えだ。ある幹部は「立証の準備は十分」と自信を見せる。【玉木達也】

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