NEW MEDIA 2009年1月号より転載

チャレンジド

「愛と勇気 レーナ・マリアコンサート」で
ユニバーサル社会を目指して鼎談

 スウェーデンの歌姫レーナ・マリアが、神戸の地で澄み渡る歌声を響かせた。10月18日、会場の神戸芸術センターの会場を埋めたあふれるばかりの観客にレーナの歌声は、ときに力強く揺さぶった。両腕が無いことを「神の恵み」と受け止め、音楽だけでなく、絵画やスポーツにも挑戦し続けてきたレーナ・マリアならではの歌声を、障害を持った子どもたちも家族と一緒になって身体いっぱいに受け止めた。

 また、コンサートとしては珍しい鼎談が行われた。「ユニバーサル社会」の実現を目指す活動の一環として位置づけたコンサートで、与党ユニバーサルPT副座長である浜四津敏子参議院議員と矢田立郎神戸市長、プロップ・ステーション理事長の竹中ナミさんの鼎談と、与党ユニバーサルPT座長である野田聖子消費者行政推進相から映像メッセージが届いた。

 浜四津さんは「議員になる前は弁護士で、日本の憲法が大好きです。13条はすべての命の尊厳をうたい、14条では平等の精神を宣言している。しかし、まだまだ男性中心の社会であるが、良い事はカタツムリのようにゆっくりと進むもので、悲観していない。ユニバーサル社会基本法の制定を目指す」と述べ、矢田市長は「震災を経験したことで、共に生きるという実感を神戸市民の心に刻まれている。女性も障害のある方、お年寄りもすべての人が持つ能力を最大限に発揮できる街づくりを目指している」と語りかけた。

 野田消費相は、「これまで子どもや女性、高齢者、障害者が社会の中軸にいなかったが、少子高齢社会では彼らこそが中心になっていく。それを実現するのがユニバーサル社会基本法である。議員立法で制定を目指す」と訴えた。

 神戸を拠点にするプロップ・ステーションは、新しいコンサートを生み出した。

鼎談の写真
レーナ・マリア コンサートの中で行った鼎談

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