沖縄タイムス 2006年12月20日より転載

プロの活用指摘

「さすが、みっちゃんや!」

支援組織の竹中理事長 習得法など紹介

[写真]竹中ナミパソコン技術を習得させることで障害者の就労、自立を支援している社会福祉法人プロップ・ステーション(神戸市)の竹中ナミ理事長=写真=の講演会「すべての人が誇りをもって生きられる社会に」(主催・サイバーファーム)が14日、那覇市内であった。

竹中理事長は、パソコンを駆使して自立している多くの障害者を紹介し、「人間の可能性は計り知れない。障害者だから何もできないと周りが決め付けずに、眠っている力を掘り起こして仕事につなげ、障害者を納税者にしてほしい」と呼び掛けた。

同法人では、講習の段階からプロを巻き込むことを徹底。コンピューターグラフィックや陶芸を習う場合でも、「教える人が趣味レベルでは、趣味レベルで終わってしまう」として、一流の技術や道具を使い、その道で成功しているプロに講師を依頼する。

その後、障害者は技術を磨き、できた作品に商品価値があるかプロに判定してもらった上で、竹中理事長らが営業して仕事を受注してくるシステムという。

竹中理事長は、交通事故で首から上しか動かなくなった男性がコンピューターのソフト開発会社を立ち上げたり、聴覚障害の女性がホームページ作成者として成功し、さらに地域の子供たちにパソコン指導をしている例を紹介。来年は全国の障害者と厚生労働省をテレビ会議で結び、障害者が厚労省職員にパソコンを指導する講習会も予定している。

また竹中理事長は「重症心身障害者である私の娘を残して安心して死にたい、というのが究極の望み」と述べ、少子高齢化が進み、支援が必要な重度障害者らが排除される社会にならないようにするため、「日本各地の障害者がITを駆使して情報やノウハウを交換し、仕事をシェアしていく、そんな輪が沖縄でも広がっていってほしい」と力説した。


吉本興業から発売された写真集「チャレンジド」のスライドを見せながら仲間の活動を紹介した

=14日、那覇市・県男女共同参画センター

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