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産経新聞 2004年12月30日より転載

     
 
ユニバーサル社会
 
 
 
  from  


 日本ではまだまだ女性の政治家や管理職、組織のトップが少ないという現状を、早くなんとかせなアカンのちゃうか、とナミねぇは考えています。

 先日、「日本を変えよう!」をテーマにしたフォーラムにパネリストとして出席したんですが、数百人の参加者のうち女性は、司会者と私とお客さまの中の1人、のたった3人。その親睦会で、女性をあいさつせよと指名をうけたものの、やっぱりこれは「なんでやねん」と言わざるを得ませんでした。

 ホンマに男性だけで日本を変えることが可能やと信じておられるんですかね、皆さん!

 しかしながら、女性の社会進出を阻む壁は、実は女性自身にもあります。「男女がどんな仕事にも力を合わせて遂行していくのが社会だ」という感覚は、まだ日本には定着していない、と私は感じています。

 そんな日本社会において「子どもを抱いた総理をめざす」という意思を表明した本を、野田聖子衆院議員が出版しました。『私は、産みたい』という著書には、夫婦で力を合わせて「不妊治療」に挑み、失敗を繰り返しながらも、それによって夫婦の絆が深まっていく過程が素直に書かれています。

 私は、夫婦そろって国会議員という野田聖子さん、鶴保庸介さんご夫妻と家族的なお付き合いをさせていただいてますが、それでも『私は、産みたい』というタイトルには驚きました。と同時に、赤ちゃんを産み育てることと、総理という激烈な仕事が両立するのか? と一瞬でも思った自分を恥ずかしく思いました。

 両立する時代を生み出さないといけないし、そんな可能性を持つ社会を「ユニバーサル社会」というんやと改めて確信したのです。

 アメリカでは2人目の女性国務長官が誕生し、フィリピンでは女性大統領が活躍しています。ユニバーサル社会創造へ向けた議論をみんなでもっと深めていく2005年であってほしいと思います。

 

写真:ナミねぇ竹中ナミ
(たけなか・なみ=プロップ・ステーション理事長)




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