荘内新報 2004年8月3日より転載

 

 
 
障害者とともに
 
 

酒田でシンポ地域社会の在り方探る

 
 

 

東北公益文科大で講演した竹中さん

 「障害者の今と明日を考えるシンポジウム」が1日、酒田市の東北公益文科大で開かれた。神戸市で「チャレンジド(障害者たち)を納税者にできる日本」を合言葉に、パソコンを使って障害者の就業支援などに取り組んでいる社会福祉法人「プロップ・ステーション」の竹中ナミ理事長の講演などで、障害者とともに生きる地域社会の在り方などを学んだ。

 東北公益文科大の吉田貴信さん(4年生)ら社会福祉士を目指す学生らが今年2月に結成した「障害者を考える会」が主催。庄内地方で障害者福祉や教育、まちづくりにかかわる人など約50人が参加した。

 竹中さんは「チャレンジドの可能性を考えてみよう!」と題して基調講演。重度の心身障害の長女を授かったのを機に、障害者のマイナス面でなく、可能性に着目して自立と社会参加を支援する活動を展開してきた経緯を紹介。「弱者を規定して何かをしてあげるという発想は『こっちの方が弱い』という『弱い者競争』を生む。それは障害者だけでなく、日本の構造的な問題。障害の有無に関係なく、人の可能性に着目し、可能性を引き出す社会にしていこう」と意識改革を訴えた。

 続くパネルディスカッションでは、障害者の社会参加支援を事業計画の1つに掲げる第3セクター「酒田まちづくり開発」の西村修社長、梅津敏光理事、浜田小特殊学級担任の吉泉妙子教諭の3人が、障害者とともに生きるまちづくりを意見交換。「健常者同士も支え合っている。その枠組みを広げる感覚でいい」「仕事に人を合わせるのでなく、人に合わせた仕事を」などの意見が出ていた。




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