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産経新聞 2004年7月2日より転載

     
 
官と民の新しい関係
 
 
 
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 参議院の調査会でユニバーサル社会の創造について意見陳述した−以前、こう書いたことをご記憶の方もおられると思いますが、第159通常国会の最終日(6月16日)、参院本会議で出席全議員(217人)が賛成し、「ユニバーサル社会の形成促進に関する決議」が採択されました。

 地味な(?)テーマの決議だったので、残念ながら全く報道されませんでしたが、私にとっては大変うれしい出来事でした。

 決議内容は「施設や設備等のバリアフリー化を進めていくのみならず、さらにその考え方を深めて社会の制度や仕組みにおいても障害の有無、年齢等にかかわりなく、国民一人一人がそれぞれ対等な社会の構成員として自立し、相互にその人格を尊重しつつ支え合う社会、すべての人が安心して暮らすことができ、その持てる能力を最大限に発揮できる社会、すなわちユニバーサル社会の形成を目指していかなければならない」ということを柱としています。

 その上で、「このような社会の形成を目指し、そのための総合的な社会環境の整備を進めることは、国会および政府の重大な責務である。われわれは、その責務を果たすために全力を尽くすことを決意する」と宣言しています。

 これに呼応するように、国土交通省の「自律的移動支援プロジェクト」もホームページを開設し、「ITを駆使して、高齢者、障害者だけでなく、日本に住むすべての人および外国から来られた方にとってもユニバーサルな社会を創造しよう」という事業についての詳細が記載されています。

 このようにインターネットで情報公開しながら国家事業はこれまでなかったのですから、このこと自身が、ユニバーサル社会創造に向けた壮大な実験といえるかもしれません。 国民がいつでも見つめている中で事業を進める…もしかしたら、新しい官と民の関係が構築されるのかも、と期待しつつこの事業に参画しているナミねぇです。

 

写真:ナミねぇ竹中ナミ
(たけなか・なみ=プロップ・ステーション理事長)




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