日経産業新聞 2004年6月8日より転載

 

 
 

プロシード

 
 
携帯を会話補助装置に
 
 
音声使い障害者用
福祉団体などと開発
 
 

 

写真:表彰式の模様
日常生活の様々な場面を表す絵記号を選択すると、決まり文句が音声で流れる

 企業の経営支援や研修を手がけるプロシード(東京、西野弘社長、03−5786−7522)はソフト開発会社や福祉団体と組み、携帯電話による障害者向け会話補助システムの開発を始めた。街頭で迷った時など、簡単なボタン操作で携帯を音声装置として使い、意思を伝える。情報通信研究機構の資金助成も受け、2005年1月に実用化する。



 企業の経営支援や研修を手がけるプロシード(東京、西野弘社長、03−5786−7522)はソフト開発会社や福祉団体と組み、携帯電話による障害者向け会話補助システムの開発を始めた。街頭で迷った時など、簡単なボタン操作で携帯を音声装置として使い、意思を伝える。情報通信研究機構の資金助成も受け、2005年1月に実用化する。

 携帯向けソフト開発のデジタルジャケット(東京・台東)と障害者就労支援の社会福祉法人、プロップステーション(神戸市)が協力する。障害者の情報技術(IT)利用につながることが評価され、情報通信機構の助成対象事業に選ばれた。

 インターネット上に専用サイトを設けて会話に必要な言葉や成句、慣用句の音声データを用意する。利用者は必要な音声データを通信経由で携帯に取り込む。このデータを日常の生活で使う。

 たとえば「道を教えてください」といったデータを登録しておけば、ボタンを押すだけで周囲の人に音声で質問を聞いてもらえる。「私」「駅」「乗せて」などの単語を表す絵記号を画面上で選び、組み合わせて簡単な会話文も作れる。

 開発するシステムの内容はプロシードが考案、取りまとめ役として開発の進ちょく状況を管理する。デジタルジャケットがサイトの構築を担当。プロップステーションは専用サイトに登録する単語や成句のリストを作るほか、使い勝手の良しあしを調べる。実用化後はプロップがシステムを使ってサービスを始める。料金体系は今後詰める。

 プロシードは1991年設立。管理職向けの教育研修やITの導入支援などを手がける。今後は教育・福祉関連の新規事業にも取り組む。2003年12月期の売上高は4億5千万円。今期は6億5千万円を見込む。