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神戸新聞 2003年7月16日より転載

     
  障害者の在宅就労支援  
 
IT駆使し“仮想工場”
 
 
NTT西日本と 
神戸の福祉法人  
デジタル地図を編集
 
 

 

 NTT西日本とデジタル地図製作などを手掛ける子会社のNTTネオメイトは15日、さざまな事情で通勤が難しい人でも自宅などで働ける仮想工場を開設すると発表した。在宅ワーカーと製図センターを高速回線で結んだ 「デジタル地図バーチャルファクトリ」で、神戸市内の社会福祉法人が協力。身体に障害のある約二十人が就業し、22日から稼動する。

 体が不自由なことなどから通勤が困難な人の就労機会を拡大するねらい。在宅ワーカーへの業務委託で、NTTなども通勤費が約三割削減できるメッリトがある。

 ネオメイトが、熊本市内にデジタル地図の製作センターを設置。在宅ワーカーが入力・編集したデータを高速回線でセンターへ送り、センターで加工、デジタル地図を完成させる。作業画面は共有できるため、作業中でも、ワーカーはセンターの指導を受けられる。

 開設時のワーカーは、障害のある人たちの就労をサポートしている社会福祉法人「プッロプ・ステーション」(神戸市東灘区、竹中ナミ理事長)の支援を受けている人たちとなる。賃金は出来高制で詳細を詰めている。

 ネオメイトは「新しいビジネスモデルとして全国に広めたい」としており、在宅ワーカーの対象を、家族の介護などで外出しにくい主婦などにも拡大する考え。地図製作以外の事業展開も検討している。