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産経新聞 2003年6月21日より転載

     
 
「本当の働く場」へ
 
 
 
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 カタログ通販で有名なフェリシモの全面協力を得て始まった「チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト(略称CCP)」のプレス発表を兼ねた第1回展示会が、先月開催されました。CCPは、小規模作業所や授産施設などいわれる「福祉就労の場」といわれるところを「本当の働く場」にしよう!と、兵庫県、神戸市のバックアップも得てスタートしたものです。展示会には知事、市長も出席され、福祉就労の場にかかわる人たちや、多くの取材陣が訪れ、関心の高さを実感しました。でも、ここまでの道のりは決して平坦(へいたん)ではなかったんよ。

 「チャレンジド(障害を持つ人)を納税者にできる日本」というキャッチフレーズで12年間、ITを駆使して非営利活動を展開してきたプロップの実践から導き出されたノウハウ。「チャレンジドがプロの働き手になるためには、一流のプロ技術者との連携が必須である」という視点で福祉就労の場を見直した時、デザイン、マーケティング、販路などに優れた企業とタイアップすれば「本当の働く場にすることは夢ではない」とナミねぇは確信しました。

 でも、企業秘密でもある「プロのノウハウ」を快く伝授してくれる会社が有るやろか? 「福祉就労の場」でさまざまなものづくりに携わるチャレンジドに期待し、先行投資してくれる企業がホンマに存在するんやろか? 通販を手がける多くの企業トップにお会いし「こら簡単に進む話やないなぁ」と感じました。

 それが昨年6月、フェリシモの矢崎和彦社長から「ソーシャルな意義のあるプロジェクトですから、一緒にやりましょう!」と決意表明をいただいた。本当にうれしかった。第1回展示会では45の作業所などからエントリーされた110点の製品が発表されました。その中からプロの手でブラッシュアップされた商品たちがかわいいカタログになって、現在全国に発信されている最中です。神戸からCCPの風が吹きまっせ−!!

 

竹中ナミ
(たけなか・なみ=プロップ・ステーション理事長)



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