朝日新聞 2003年5月20日より転載

     
 
障害者作110点
「品質で勝負」
 
 

通販会社・県・神戸市タイアップ全国販売へ
神戸で展示会

 
 

 

会場の写真

障害者の手作り製品に見入る参加者たち
=神戸市中央区浪花町のフェリシモで


 障害者の手作り製品について商品企画のプロがアドバイスし、「売れ筋商品」に仕上げて全国販売する「チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト(CCP)」の展示会が19日、神戸市中央区浪花町の通販会社「フェリシモ」で開かれた。
参加を希望した45の小規模作業所や授産施設の織物やお菓子など約110の製品が並び、関係者約200人が見入った。

 この事業を手がけるのは、障害者の就労を支援する社会福祉法人「プロップ・ステーション」(神戸市東灘区)とフェリシモ、県と神戸市の4者。フェリシモの商品企画担当者が助言にあたる。

 あいさつの中で、井戸敏三知事は「県も障害者の自立促進を模索してきた。この試みを応援したい」と述べ、矢田立郎市長は「これは福祉就労にとって一大革新となる仕組み。多くの人から評価を得る商品を作ってほしい」と激励。プロップ・ステーションの竹中ナミ理事長は「障害のある人もない人も協力し、各自の持てる力を発揮出来るのがCCPです」と事業の意義を語った。

 フェリシモの矢崎和彦社長は、商品化の第1弾として、渦巻き模様のクッキーと、自由に柄や色をあわせて仕上げる「さをり織り」の小物を6月下旬ごろ発行するカタログに掲載すると報告。「善意に頼るのでなく、高品質にこだわりたい」と力を込めた。

 陶芸品を出品した小規模作業所「ピータンハウス」 (同市長田区)の木辻清子さん(50)は「全国に発信できるいいチャンス。プロの助言が楽しみです」と語った。

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