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産経新聞 2003年1月31日より転載

     
  「本当の働く場」を作る  
 
 
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 「福祉就労の場を本当の働く場にしよう!」を合言葉に兵庫県(井戸敏三知事)・神戸市(矢田立郎市長)とプロップ・ステーションは、神戸市内に拠点を置くカタログ通販の専門企業、株式会社フェリシモ(矢崎和彦社長)の協力を得て「チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト」(略称CCP)を開始することになりました。

 全国各地の自治体の補助金によって運営される小規模作業所や授産施設など「福祉就労の場」といわれるところでは、多くのチャレンジド(障害を持つ人)が「指導員」と呼ばれる福祉職員や家族(主に母親たち)のサポートのもとで雑貨や食品などさまざまな製品を作っていますが、それらの製品を一般の商品と肩を並べて販売することは難しく、「本当の働く場」と呼ぶにはほど遠い現状が長年続いてきました。

 プロップはその原因が「商品開発やデザインのプロとの連携がない」「販路がない」ところに原因の多くがあることを痛切に感じてきたことから、「産官民」が連携してこの課題に挑戦し、「福祉就労の場を本当の働く場に」することを目指すCCPを企画しました。

 プロジェクト開始にあたり、カタログやインターネットを通じて通信販売を行ういくつかの企業と話し合いを行いました。その中で全国に多くの会員制顧客を持ち、アトピーの人が安心して着られる衣料品を開発・販売するなど社会的意義のある商品を優れたセンスでコーディネートして世に出すことに積極的に取り組むフェリシモの全面的な協力を得ることでCCPの開始が決定しました。

 現在、パンフレットとインターネットで兵庫県と神戸市に所在地を持つ作業所・授産施設に、このプロジェクトへの参画を呼びかけています。CCPへの参画は決して強制ではなく、志を同じくする作業所・授産施設に応募していただく形式をとります。CCPが、全国の福祉就労の場を「本当の働く場にする」大きな一歩になることを願ってやみません。

 

竹中ナミ
(たけなか・なみ=プロップ・ステーション理事長)

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