岩手日報 2002年8月28日 より転載

障害者就労にIT活用 能力生かす方策論議

盛岡でチャレンジド・フォーラム開幕

情報技術(IT)を活用して障害者の自立を目指すチャレンジド・ジャパン・フォーラム2002inいわて(同実行委主催)は27日、盛岡市内のホテルで開かれた。全国各地で開催し、今回は8回目。各界の著名人らが障害者の就労意欲に社会がどう応えるか議論した。


情報技術(IT)を活用した障害者の就労などを議論したセッション

自治体事業の発注訴え

全国から政治経済、教育、福祉関係者ら約420人が参加。村田知己実行委員長は「誰もが望む豊かな暮らしを実現できないのは本人の努力不足でなく社会の責任。解決策を探ろう」とあいさつした。

チャレンジドは「神から挑戦という課題を与えられた人」と障害者を前向きにとらえる造語。「学ぶこと、働くこと、そしてIT」と題したセッションで、フォーラム提唱者の社会福祉法人プロップ・ステーションの竹中ナミ理事長やマイクロソフト社の阿多親市社長ら8人が意見発表した。

ティー・アンド・ティー社の手嶋雅夫社長は「障害者が求めるのは補助金でなく仕事。健常者にない『伝える力』やアイデアを持つ。自治体は優れた能力を認め、事業を発注することが必要だ」と訴えた。

東京工科大メディア学部の清原慶子教授は基調講演で「ITは障害の有無にかかわらず対等なコミュニケーションを実現した。一人の小さな思いでも全世界に向けて発信できる」と、ITを活用した生活を唱えた。

フォーラムの模様は全国にインターネット中継された。28日には増田知事と浅野史郎(宮城)、北川正恭(三重)、太田房江(大阪)、木村良樹(和歌山)の5知事によるセッションなどが行われる。

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