毎日新聞 2002年8月22日 より転載

障害者たちの笑顔 写真集に

吉本興業が来月出版

「笑い」が“主力商品”の吉本興業(大阪市)が、自立する障害者を写した写真集「チャレンジド」を来月、出版する。吉本興業は「チャレンジする障害者の笑顔が、お笑いに挑戦する吉本に通じます」と、写真家の牧田清さん=大阪市=の力作を商品化する。

「チャレンジド」とは、障害を持った人はハンディではなく神様から挑戦すべき課題=チャンスを与えられた人たちという意味。写真集には、牧田さんが障害者らの自立を支援する社会福祉法人「プロップ(支援)・ステーション」=神戸市東灘区、竹中ナミ理事長(53)=などで撮影した約100点を収める。パソコン講習を受けたり技能習得に奮闘する障害者たちの姿を活写している。

牧田さんは、竹中さんが講演で「障害者を納税者に」と話しているのを聞いて「その通りだ」と思った。ひたむきな障害者たちの姿を1年がかりで撮影。知人のいる吉本興業に出版を打診した。牧田さんや竹中理事長の話を聞いた吉本興業のペーパーメディア担当、一二三(ひふみ)泰正プロデューサーも賛同、出版が決まった。

プロップ・ステーションでグラフィック・デザインを学び、写真集にも登場する大阪府堺市の吉田幾俊さん(45)は「写真集を見て、障害者に対するイメージが明るく楽しいものに変わってくれれば」と期待している。

B5判、2000円(税込み)。

【和田浩明】

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