神戸新聞 1999年4月10日 より転載

「ガツン、とぶつけたい」
パソコン使い仕事の場 働くことで学んだこと

シンポへ向け準備着々 17、18日神戸で 「プロップ・ステーション」

コンピューターの技術を修得して仕事をつかんだ障害者たちが、17、18の両日、神戸・六甲アイランドの神戸ファッションマートで開くシンポジウムに向けて、張り切っている。タイトルは「GATSUNNN!!(ガツン)'99 夢はもう現実だ!」。働くことで社会を支える側に立ち、自身を得たメンバーは、体験を基に来るべき高齢化社会での「新しい働き方」を提案しようと、準備に忙しい日々を送っている。

障害者の就労を支援

パソコンを活用して障害者の就労支援に取り組む「プロップ・ステーション」(大阪市北区)と、そこで学んだ障害者たちが主催する。「プロップ―」は1991年、重度心身障害の娘を持つ竹中ナミさん(50)=神戸市東灘区=が中心になって発足したNPO(民間非営利組織)で、このほど社会福祉法人として認可を受けた。 ボランティアや企業の支援を得て、コンピューターグラフィックスやプロラミングの講座を開き、仕事の受注も行う。これまでに約40人が在宅勤務できる実力をつけた。企業に採用されたメンバーもいる。

スタッフの1人、西宮市門戸東町の中村弘子さん(35)は、シンポジウム会場で流すアニメや、案内のホームページの製作を担当している。もともと絵は得意だが、脳性まひのため筆を持つのが大変だった。3年前にコンピューターグラフィックスと出合い、作品の幅がぐんと広がった。

パソコンのマウスを使えば、苦労した直線も簡単に引ける。夢中で画面に向かい、今ではプロップの神戸教室で教えるまでになった。「私らも仕事ができるとこを見せなあかん。シンポの2、3日前は徹夜になりそう」と笑う。 シンポでは、全盲や肢体不自由のメンバーが学者や財界人、行政担当者らと座談会を行う。仕事を通じて社会人としての誇りを持つようになった経験から、障害の有無や、年齢、性別などにかかわらず、働く意欲のある人が、それぞれの能力や事情を応じて働ける社会づくりを訴える。

シンポは両日とも午前10時から。17日には今村昌平監督が監修した「プロップ―」のドキュメンタリー映画の上映や、ジャーナリスト櫻井よしこさんの講演がある。参加費は2日通しで6千円。介助者同伴の場合はともに半額。障害者を対象にコンピューターグラフィックスも募集中で、当日に入選作品を発表する。

シンポは両日とも午前10時から。17日には今村昌平監督が監修した「プロップ─」のドキュメンタリー映画の上映や、ジャーナリスト櫻井よしこさんの講演がある。参加費は二日間通しで6千円。介助者同伴の場合はともに半額。障害者を対象にコンピューターグラフィックスも募集中で、当日に入選作品を発表する。

問い合わせは「ガツン!実行委」 TEL078・845・2263、Eメールprop@prop.or.jp。

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