日本工業新聞 1998年7月10日より転載

障害者就労にIT

チャレンジド・ジャパン・フォーラム 神戸で国際会議

パソコンやインターネットなどの情報技術(IT)を用いて障害をもつ人の就労支援を目指す第1回国際会議が来月、神戸市で開かれる。チャレンジド・ジャパン・フォーラム国際会議実行委員会(実行委員長・北村新三神戸大工学部長)が主催するもので、スペインやスウェーデン、日本における障害者の就労事例紹介のほか、兵庫、宮城、高知三県の知事によるテレビ会議、郵政、通産、自治、労働の各省庁参加によるパネルディスカッションなどを2日間にわたって開く。米国では、仕事をもち、積極的に社会に参加していこうという前向きな障害者のことを「チャレンジド」と呼んでおり、日本でも今回の国際会議を契機に、チャレンジドが参加しやすい社会システムについての情報交換、連携が促進されそうだ。

国際会議の名称は「チャレンジド・ジャパン・フォーラム・ユニバーサル・ミーティング」。来月8、9の両日、神戸ポートピアホテルで開催される。パソコンなどの情報技術を使って自立を目指すチャレンジド同士、さらにチャレンジドと企業・組織の情報交換、チャレンジドを取り巻く産官学および地域コミュニティーに関する連携の場の創出などについて討論する。

この国際会議では、スペインのオンセ(視覚障害者福祉団体)やスウェーデンで従業員3万2千人の障害者が就労するサムハルが参加して、その事例を紹介する。日本からは、コンピューターを利用してチャレンジドの自立と就労の促進や雇用創出を目指しているプロップ・ステーションが活動内容を紹介する。

チャレンジドにおける情報技術の応用については、マイクロソフト、日本シリコングラフィックス・クレイ、三菱プレシジョン、アクセスインターナショナルなどが参加、人にやさしいコンピューター技術についての事例紹介を行う。

また、日本電信電話(NTT)も協賛し、NTTが運営する「ハローねっと・ボランティア」のホームページ(http://www.wnn.or.jp/wnn-v/)上で、会場の模様を中継する計画だ。問い合わせは国際会議事務局(078−845−2292)まで。

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