朝日新聞 1998年1月20日より転載

私くうかん

障害に挑戦を! 技術と知識伝える

チャレンジド対象のセミナーを開く 「プロップ・ステーション」 鈴木 重昭さん(44)

NPO(非営利団体)のプロップ・ステーションは、「チャレンジドを納税者にできる日本」をスローガンに1991年からコンピューターセミナーを開いています。チャレンジドというのは、障害のある人を表す新しい英語です。チャレンジする人、つまり、障害に立ち向かい挑戦する人のことです。まだなじみが薄いかもしれませんが、国内でも「障害者」という言葉に代わって次第に使われるようになってきています。

セミナーは、自立支援と就労促進を目指しており、高齢者も含むチャレンジドを対象に6カ月間、デザインや画像処理技術を学ぶグラフィックコースとワープロや表計算ソフトなどを学ぶウィンドウズ95コースを設けています。23日からは12回目のセミナーが始まります。

セミナーは6年間で延べ160人以上が受講しました。3年前からインターネットを使ってデータベース開発の講座も開いています。これには北海道から九州まで13人が学びました。グラフィックコース修了生のうち、7人が去年11月に「プロップ・バーチャル工房」と名付けたグループをつくってがんばっています。

チャレンジドが、在宅勤務をするまでになるには、厳しい現実が待っています。6カ月のセミナーを受講し終えても次のステップが待っています。でも、それを成し遂げて、在宅で仕事を始めている仲間がいます。ただ、営業活動や交渉などは難しい。そのためにもプロップ・ステーションではチャレンジドと一緒になってがんばっていこうと思っています。

神戸生まれ。精密測定機器メーカーのエンジニアをしながらボランティアをするうち、プロップ・ステーション代表の竹中ナミさんと知り合い、設立時から参加。94年から、専従のメンバーに。プロップ・ステーションの連絡先は06−881−0041。
ホームページのアドレスは、http://www.prop.or.jp/

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