毎日新聞 1996年7月16日より転載

われら電脳人

和田 隆

障害者の就労を支援

パソコン通信やインターネットを活用して仕事を確保しょうという障害者の取り組みを支援しているのが大阪のボランティア団体「プロップ・ステーション」。パソコンに詳しい鈴木さんはここで実務部門の責任者を務めている。

元はサラリーマン。精密測定機器メーカーを経て、半導体検査装置などの開発するベンチャー企業に勤務していた1991年、現在の代表の竹中さんらとプロップ・ステーションを発足させることになり、脱サラに踏み切った。「会社を辞める4〜5年前から、障害のある人にパソコン通信を教えるボランティア活動をしていた。脱サラには迷いもあったが、プロップ・ステーションにはより大きな展望を感じた」と振り返る。

現在は、障害者を対象にしたパソコン講座の企画・運営やさまざまな活動のサポートを目的に開設しているパソコン通信ネット「プロップ・ネット」のサーバーの管理などに忙しい。「インターネットが盛んになって、ホームページの作成やサーバー管理などインターネット関係の新しい仕事が生まれてきた。これからは在宅でもできるから、障害者にも適している。技術のある人をたくさん育成したい」と張り切っている。

もっとも、課題もある。「プロップ・ステーションは障害者の就労を目的にしているから、技術の習得に関しては厳しい。そのためもあってか、効率がよいか、など"企業の目"で見てしまいがち。ある意味では必要なことだが、それに重点を置き過ぎると、まずい。兼ね合いが難しい」と言う。

竹中代表の"鈴木評"は「ワーワーと騒ぐばかりの私と違って、着実で確実。とても助かっている」。神戸市灘区在中

「プロップ・ステーション」のアドレス
http://www.prop.or.jp/

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