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【資料】

第1回成長力底上げ戦略推進円卓会議でのナミねぇの発言


日 時:平成19年3月22日(木)18:20〜19:00

場 所:官邸4階大会議室

出席者:清成法政大学名誉教授・学事顧問、小出JAM会長、小島日本経済研究センター会長、佐伯全国中小企業団体中央会会長、桜田日本サービス・流通労働組合連合会長、高木日本労働組合総連合会会長、竹中社会福祉法人プロップステーション理事長、丹羽伊藤忠商事会長、樋口慶應義塾大学教授、山口日本商工会議所会頭、塩崎内閣官房長官、下村内閣官房副長官、大田内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、山本再チャレンジ担当大臣、大村内閣府副大臣、田村内閣府大臣政務官、大野総務副大臣、尾身財務大臣、伊吹文部科学大臣、柳澤厚生労働大臣、松岡農林水産大臣、甘利経済産業大臣、冬柴国土交通大臣、根本内閣総理大臣補佐官、世耕内閣総理大臣補佐官


<議事録よりナミねぇの発言を抜粋>

(竹中委員) せっかく来て、もう終わりかっていう感じですが、障害がある人の就労についてしゃべるのは、多分、私だけだと思うので、一言だけ述べさせてください。
私自身は、34歳になる娘が重症心身障害者で、いまだに私のことを母ちゃんとはわかっていないんですが、日本の高齢化を考えるときに、そのような家族を残しても安心して死ねる日本にするには、1人でもたくさんの人が支える意思を持っていただき、なおかつ、それが実現するような日本でないといけない。そういうことで、私自身、16年前にプロップステーションというグループをつくって、最重度の障害のある人が、そのころからちょうど日本に登場したITの技術を活用することで、実際の働ける人になっていくことを目指して今日までやってきました。

 実は、アメリカで、障害者のマイナスのところではなく、可能性に着目した「Challenged」という言葉があるのですが、ですから、私たちは障害者ではなくて、彼らは挑戦する使命やチャンスを与えられたChallengedだという観点から、障害が重くても働く意欲のある方々を中心にしたチームをつくって今日までやってきたわけです。アメリカでは、ペンタゴンのCAP(Department of Defense Computer/Electric Accommodations Program(電子調整プログラム) )が私たちのカウンターパートですが、そこは最重度の障害のある人たちを、最高の科学技術によって政府官僚にしたり、企業のリーダーに育てるという組織です。私たちは、そこからも学びつつ、なおかつ、アメリカのさまざまな法整備からも学びつつやっておりますけれども、おかげさまでこの16年間、家族の介護を受けながら、あるいは家族の介護も無理になって、施設のベッドの上におりながら、このITの活用によって働いたり講師をしたり、あるいはその人たちを取りまとめて先生になっていくという方々がどんどん生まれてきまして、最重度の難病の方が、お母さんの介護を受けながらタックスペイヤーになっていったという例が幾つもございます。

 本日、私の提出した資料ですが、これは先月2月13、14日に、厚生労働省のご協力をいただきまして、厚生労働省のセミナールームに、官僚あるいは企業の人事担当者に受講生としてお集まりいただいて、今言ったような形で介護を受けながらもプロになっていった方々が、テレビ会議のシステムで介護を受けている自宅からIT講師を務めるという非常にユニークな取組をさせていただきました。そのためには、最先端のこのテレビ会議のシステムも新たに開発するという形でやらせていただきましたので、ぜひこの資料にお目通しいただければと思います。

 時代は、もうここまで来ておりまして、日本の中だけで「かわいそうな人、気の毒な人」と言っていても、世界では彼らの能力に着目して、その人たちを実際にタックスペイヤーにしていくという国が幾つも生まれているわけです。ほとんどの先進諸国は、福祉というのは弱者という人たちに手当てをするのではなくて、弱者から1人でも弱者ではない人を生み出すプロセスを福祉と位置づけ、法律も全部切りかえてきております。そして、本当に必要な人たちのセーフティネットを、みんなの総合力で生み出すということになっておりまして、私はこれこそが底上げ戦略だと思っているんですね。本当に無理だと思われた人が働ける日本というのは、それ以外の働くことが困難と言われるたくさんの人たちがきちっと乗ってこられるシステムにつながりますので、いろいろなご議論はあるかと思いますけれども、最重度の方々のところまで着目した、ITという道具も使った働き方にも、ぜひ言及、あるいはお考えを及ぼしていただければと思います。プロップ・ステーションの活動の詳細はホームページ(http://www.prop.or.jp/kouho/namis_room/)でご確認いただければ幸いです。 ありがとうございました。

(内閣府発表「第1回成長力底上げ戦略推進円卓会議議事要旨」より引用)

第1回会合議事要旨本文はこちらです。※PDFファイル(52.5kb)が開きます。


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