第3回・何か変わる!何が変わる?
中部学院大学 人間福祉学部
井村 保
E-mail : imura@chubu-gu.ac.jp
さらに、在宅でも利用できること、障害があってもそれに適応した機器を使うことで障害の有無にかかわらず利用できバリアフリーを実現する手段にもなりうるものであり、かつ健常者や障害者を問わず多くの利用者が同じ環境を利用していることで、あまりふれあう機会がなかった人同士が知り合う場にもなり、外出が困難でこれまで閉鎖的になりがちであった障害者などにとってのコミュニケーション手段の1つとして新しい選択肢になることも期待できるでしょう。
ホームページでニュース速報や新聞の主な記事を随時公開しているところや、電子メールでニュースや話題を定期的に配送してくれるところなどがあります。もちろんこれらの内容にもさまざまな種類があり、社会全体に関する総合的なニュースもあれば、特定分野に限った専門的情報のみを扱うところもあります。
例えば、ニュース全般を扱っているのは『朝日新聞』(*1)。最近では新聞社によるニュースのホームページも数多くありますが、朝日新聞社はホームページが世間に知られるようになって間もない頃からニュースを提供し、その内容も随時更新されていて速報性にも優れています。それに伴い利用が集中しアクセスが遅いということもありましたが、それを跳ね返すように、いろいろなプロバイダにミラーサーバを設置していますので、より快適なサーバを探しご利用下さい。
『医療福祉新聞』(*2)は、「電子メール」を媒体として購読会員に日刊紙を配信するサービスです。医療・福祉関連分野の方で専門的な情報を求めている方だけでなく、それ以外の一般読者でも日常生活において医療・福祉に関心、興味を持っている方などに、さまざまな情報や話題を提供しています。有料サービスですが、バックナンバー(2週間以上前)はホームページにても公開されていますので、是非そちらもご覧ください。
「パソコンをバリアフリーの武器に!ハイテク&ねっとわーくで障害者の未来を築こう」と掲げる『福祉パソコンの会』(*3)では、在宅就労に向けて「障害者就労ネットワーク(サイバーワーキングシステム)」を6月から始め、ロータリークラブの毎週発行される会報作成(DTP)をメインに関連冊子の作成などを、ネットワークで「障害者在宅就労ネットワーク」に加盟する障害者の方々に配分し、入力、レイアウト(PageMaker、 Photoshop)作業を在宅でやってもらっています。
もちろん、Challenged の皆さんだけでなく、元気に活動するシニアの皆さんもおいでます。『シニアネット金沢』(*4)は、55歳以上のシニアの方をメンバーとするインターネットクラブです。ハワイに行ったことをきっかけに、ハワイのシニアの方と電子メールを使っての文通がはじまりました。今年の3月3日(ハワイ時間)には、CU-SeeMeを使い、インターネット上での再会を果たし「オンラインひなまつり」も実施しました。現在は京都のシニアの方とのメール交換がはじまり、近日中に京都へ遊びに行くそうです。
しかし、利用者はそれを意識する必要はなく、読み手にはあたかも普通の文字であるかのように、パソコンが文字コードから文字を判断して表示しているのです。ですから、このとき読み手は、表示する文字(フォント)の種類や大きさを好みのものに変えて表示させることもできますし、点字ディスプレイを使うことで点字として、あるいは音声読み上げ装置を使うことで声としてそれらの情報を得ることができます。ですから、目の不自由な方でも同じ情報を得ることができます。また、書き手の入力方法もさまざまで、キーボードを使うにしても手を使って入力だけでなく、さまざまなスイッチなどを併用することもできますし、画面上に仮想のキーボードを表示してマウスやその代替装置を用いてキーを指定しながら入力する方法、さらには点字入力、最近では音声入力などもあります。もちろん、(あまり使われてはいないですが)手書きの文字を認識させることもできます。
『肢体不自由者が利用可能なパソコン入力装置』(*5)は、神奈川県総合リハビリテーションセンターに勤務する伊藤英一氏がまとめるパソコン入力装置などの紹介です。リハビリテーション・エンジニアという専門的な立場からも、何らかの形で実際に使ってみての厳しい評価もありますが、「普通のカタログ集ではつまらないので少々辛口でしかも自己中心的ですでのご容赦を。」とあり、それらの中には購入前に知っておくべき大切な情報もありますので、非常に大切なものです。もちろん、入力装置以外の情報もあります。
『福祉メディアステーション』(*6)は、岐阜県、(財)ソフトピアジャパンの支援を得て、岐阜県身体障害者福祉協会と岐阜県いきがい長寿財団が中心となって作られた組織で、病気や事故あるいは加齢などによる身体的ハンデを有する方々が、自立と社会参加を果たすためにマルチメディアを有効に活用できるように研修したり、情報を得たりできる拠点として、いろいろな機器を使うことができます。ホームページでは、これらの機器の紹介も行われています。
30代女性 (下肢不自由)の方 |
インターネットは私のような歩けなくて家ばかりにいる障害者にとって本当に助かります。たとえば買いたい品物があってもデパートに簡単に行くわけにもいかないですし、人に頼むわけにもいかない方もおられます。オンラインショッピングなら、自宅まで運んで貰えるし、代金はクレジットカードで支払うということですし・・・ 私の場合、インターネットを何に利用していいのか、まだはっきりしていません。今のところ、音楽情報集めに利用することが多いです。それと福祉関連情報を知るうえで便利なメディアです。 |
20代男性 (頚損による四肢麻痺)の方 |
世間の障害者に対する動向をリアルタイムでつかみ(実際、日本での動きは少ないが・・・)、自分に有益な情報(就労等)を得るのに利用している。やはり、家にいては知りもえない情報をインターネットを通じて知ることができる(いいことも、悪いことも含めて)将来的に自分が障害者に対して情報を発信できるようになれば・・・。 |
前回もご案内しました私の『福祉と障害者支援情報の総目次』の、移転が予定より遅れて、6月1日となってしまいました。現在は無事に、 http://www.chubu-gu.ac.jp/wic/ir/h-index.html で公開中です。