村木厚子さんの裁判を見守り支援する部屋

平成22年5月26日 第20回公判がおこなわれました。

第2回目の証拠整理が行われました。

第20回公判 傍聴記 平成22年5月26日
by ナミねぇ

「厚子さん、第20回公判傍聴記 by ナミねぇ」

☆厚子さんの誠実、弘中弁護士の辣腕、そして横田裁判長の公平な眼差し

5月26日(水)厚子さん公判第20回の今日は「証拠整理」の2回目。前回の「証拠整理」は、東京出張から大阪地裁に駆けつけると「僅か7分間で終わった」とのことで、法廷の扉がピッタリ閉じられてて悲しかったけど、今日はどうかな・・・と、少し不安を胸に大阪地裁201号法廷に入る。

江川紹子さんが、なんと番組収録をTV局の皆さんの協力で2時間も繰り上げて、今日も東京から駆けつけて下さっている。
厚子さん支援の輪が確実に広がりつつあることを実感し、嬉しい!

13:30、厚子さんが薄いグレーの、初夏らしい爽やかなスーツで入廷し、2回目の「証拠整理」が始まる。

結論から言うと、今日の公判でほぼ「厚子さんの無罪が確定した」と言っても過言ではない画期的な内容だった。

横田裁判長は、検察から提出された重要証人の取り調べ供述調書の特信性を、ほぼ全否定。約二時間にわたり、判決文と見紛うばかり丁寧に「証拠整理の結果」を読み上げたが、とりわけ重要やったのは、上村元係長の供述調書15通すべてを、採用しないと決めたこと。

横田裁判長いわく「検察官の取り調べに問題があったと言わざるをえず、捜査段階の調書は法廷の証言に比べて信用できない」とキッパリ。
公判での上村氏の証言と被疑者ノートの内容のほうに、信ぴょう性があると結論づけた。

「裁判の途中で、いくら裁判官が被告に心を寄せてるように見えても、最後は検面調書が最重用視され、有罪判決となる。」というのが「日本の裁判の常識」と言われてきたことを思うと、あまりにも「画期的な」判断が下されたことに、大げさではなく「裁判が変わった!!」と実感させられた。

弘中弁護士も、閉廷後の記者会見で「これで無罪を確信した。裁判長を高く評価する。」と横田裁判長への賛辞を惜しまなかった。

「もしかしたら、今日も数分で終わるんちゃうか・・・」という不安が完全に覆され、それどころか「希望」という言葉が胸の中いっぱいに広がった今日の公判。
法廷を出る厚子さんの笑顔を見ながら、思わず「横田裁判長に、座布団10枚!!」と叫んでしまった。(^^)/~

今日の結果には、3つの重要なポイントがあると思う。
それは、厚子さんの誠実な人柄と公務員としての矜持、弘中弁護士(と弁護団)の周到な準備と辣腕、そして何より横田裁判長の公平なまなざし。
三位一体という言葉があるけど、まさにこの3つが揃った裁判やったことが、今回の稀有な結果を産んだと言っても過言やないと思う。

加えて実感したのは「ツイッターのチカラ」やね。
「厚子さんの親友」を公言するナミねぇの傍聴記だけでは、多くの人が一般メディアの報道に重きを置いたかもしれへんけど、硬骨のジャーナリストである江川紹子さんが、同じ公判を傍聴し、ナミねぇと同時にリアルタイムでツイッター速報して下さった。
そして「二人のツイッターの内容に齟齬がなかった」という事実が、圧倒的な信ぴょう性に繋がったと思う。

大手メディアの記者の一人が「公判内容を聞き逃した時、お二人のツイッターを読みました」と、照れくさそうに「告白」してくれたことさえあった。

そして、ジャーナリストでも、書くことを本職にするのでもないナミねぇが、親友の名誉を回復せねば!と、「火事場の馬鹿力」で綴った「ツイッター速報と傍聴記詳報」に期待を寄せ、エールを送って下さった支援者の皆さんに、改めて心からお礼を申し上げます。

今後の公判予定は、
6月22日 (火)午後 第21回公判「論告・求刑」 
6月29日 (火)午後 第22回公判「最終弁論」。
そして 9月10日 (金)午後 第23回公判「判決(予定)」へと続く。

まだまだ厚子さんの完全な名誉回復への道のりは長いけれど、今日の喜びをバネにしながらも、浮かれたり、はしゃいだりすることなく、気を引き締めて公判を傍聴し、記録を綴り、厚子さんの冤罪が本当に晴れる日まで、寄り添って行けたらと思う。

最後に検察官の皆さんへ。
皆さんの全てが「自らが創ったストーリーに基づいて取調べを行う」人たちではないと信じたいけれど、今回の裁判で私は、あまりにも酷い現実を見てしまった。
「検察に自浄作用は無い!」と言い切る人が多数存在するという、悲しくも恐ろしい現実に、どうか心からの危機感を抱き、自浄作用を取り戻して欲しい。

すべての検察官が、真摯に今日の結果を受け止めて下さることを、国民の一人として切に願うナミねぇです。

<文責:ナミねぇ>

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